【2010.12.03配信】
ブレアコンサルティングの服部です。今日はRPG設計理論をBREA理論で再整理をするまでの誕生秘話についてお話を致します。
RPG設計やCGを制作している井上さんと初対面時に、請われて仕事の話、特にBREA理論の話をしたところ、井上さんはRPG設計理論と非常に似ていますねとおっしゃり、RPG設計理論の概要を話していただきました。
私自身もドラクエなど代表的なRPGを体験していますので、RPGはそのように作られているのか!と感心しながら聞いていましたが、どうも気になるので一回目の講演を井上さんにお願いいたしました。
一回目の話で、私はRPGの誘導理論を学びました。時代はネットが生活に深く入り込んで商品評価などで分かるように、見込み客は企業のメッセージより使用ユーザーのメッセージを信頼する傾向が強くなっています。企業のメッセージは主観情報ですが使用ユーザーの声は客観情報です。客観情報がいかに販売に有効であるかはいろいろな成功事例で実証されています。「商品が成熟化し、コモディティ化している現在、売り込み情報ではなく、客観的な判断を顧客にしていただくための情報を提示する。しかしそれはマーケティング力なのである」というところを理論化したのが客観営業理論です。この技術がipadなどタブレット端末で花開くことになります。
タブレットCRM理論はこのようにして生まれました。
それでもRPG設計理論をBREA理論と重ねて見ることはできませんでした。
そこで二回目の講演を企画し、再度私は井上さんの話を聴くことに致しました。
話の内容は初回と同じでしたが、深く知ったことで私はBREA理論とRPG設計理論は一卵性双生児であると確信をしたのです。
同時にBREA理論のポジショニングが明確に分かった瞬間でもありました。
日本の営業が抱える弱点が明白に分かった瞬間でもありました。
日本の営業部門には営業プロセスをロジカル思考で組み立てることがないのです。
ここが最大の弱点です。
Processは、過程、あるいは前進、進行の経過と和訳されています。
プロセスには必ず目的があります。目的があるから目的を実現するプロセスが定義されます。
したがってプロセスがない営業活動は存在しないのです。どんな些細なこと、近くに寄ったから顔を出しましたという訪問でも関係深化の目的があります。
かつての日本の営業は精神論、根性論だけでプロセスを論じて、営業活動を組み立てることはありませんでした。その後にSFAが輸入されましたが、プロセスを深く考えたことがない営業現場と、IT会社のBPRコンサルタントによって作られましたから、「プロセスもどき」でお茶を濁され、どこの会社でも現状とそぐわないという結果になって営業プロセスが定着することはありませんでした。
プロセスを壊滅的にしてしまったものが日報型SFAです。顧客企業に訪問して、やってきたことを戻ってから報告記入する日報型SFAには、プロセスをロジカルに考えて組み立てる論理がありません。営業活動報告書は必要ですが、ここには目的を実現する過程をロジカルに組み立てて設計した何物も含まれていませんから、営業員からすれば「意味を感じないSFA」で終始してしまうことになります。
ビジネスの話を戦争論に例えることが良くあります。現代の戦争活動はプロセスをロジカルに組み立てています。明確なる目的を持って、目的実現のためのプロセスが明確に決めて実行し、プロセスがどこまで進捗しているかをリアルタイムで確認して、次の作戦を即座に練り上げ実行しています。PDCAが回っているのです。
RPG設計理論も同じです。魔王を倒さなければいけない最終目的が与えられ、主人公はどのような旅になるかも分からず、目的実現の旅に出ます。初めから終わりまですべてのシナリオはプロセスをつなげることでロジカルに組み立てられています。
BREA理論も同じです。
最終目的実現に向けて(受注)へ至る全体プロセスが組み立てられます。RPG設計理論ではグローバルフラグといいます。BREA理論では企業の都合で制作した見積書提出までに絶対通過しなければならない業務プロセスのことです。
しかし企業の都合だけを進めても営業活動は目的実現できません。そこでグローバルフラグを補助するローカルフラグが必要になります。BREA理論ではここには情の関係プロセス、理の関係プロセス、ASKプロセスなどが含まれます。
さらに小さなプロセスは入り口と出口があります。入り口と出口の間がそのプロセスで行わなければ目的を実現しない「こと」です。これこそがプロセスの本質です。RPGでは主人公は町の人にASKをして、何をしなければプロセスが目的実現にたどり着かないかを確認し、分かったらアクションを実行します。
こうして小さなプロセスを次々にクリアして前進していくわけです。
BREA理論ではプロセスの、入り口と出口の間に存在している小さなプロセスを登録します。いま受注に至るまでの全工程の中で営業員である主人公はどこにいて、プロセスを進めるために何ができていて、何ができていないかがわかります。
プロセスマップにおける現在地と、受注に向けて進行するうえで遣り残していること、これからやるべきことが分かるわけです。
このようにしてBREA理論をRPG設計理論で再整理をしました。そしてこの理論を「BREA-RPG」とネーミング致しました。
BREA-RPGにタブレットCRMを組み合わせると客観誘導理論を組み込んだ最強の営業プロセス実現支援システムが完成します。
このシステムはメーカーではSCMと連動することができます。受注精度が圧倒的に向上するからです。SCMシステムはプロセス研究がなされて高度に進捗していますがCRMと接続しなければ最適経営を実現できないとする境地にたどり着いています。
BREA-RPG理論を搭載したシステムを企業が展開することで、SCMと接続が可能になり信頼度の高い最適経営に一歩近づくことができます。
客観誘導理論を組み込んだBREA-RPG理論は企業から大変高い評価を受けています。来年度はたくさんの企業が導入し、複数のIT会社がBREA-RPGを搭載したシステムを発表すると思います。
また電子書籍、リアル書籍と組み合わせたBREA-RPG理論の出版企画もスタートしております。
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