【2009.02.13配信】
私事で恐縮ですが、健康診断のために循環器の検査入院を致しました。その病院の話しを致します。
以下はこの病院に掲げてあった文章です。病院の許可を得て掲載をしています。
来院された皆様へ
財団法人●●研究所の理念と基本方針
臨床医学に立脚した研究を推進し最良の医療を提供します。
●臨床に直結する多くの研究成果を継続的に社会に発信します。
●臨床医学の発展に積極的に貢献します。
財団法人●●研究所付属病院の基本方針(相互心愛)
●患者様の権利と利益を尊重します。
●最良の医療により患者様のよりよい生活の実現を目指します。
●地域医療の向上に貢献します。
●予防医療により循環器疾患の減少に取り組みます。
●自己研鑽に取り組むとともに、人材育成に努めます。
看護部の理念
相互心愛を基本とした、専門職にふさわしい共感と思いやりの心を持ち、患者様に一番近い存在としてお一人おひとりを尊重した看護を実現します。
【方針】
1.患者様とご家族の意思を尊重し、より良いパートナーシップを築きます。
2.患者様個々に安全・安楽な療養環境を整え、患者様のニーズを判断し、科学的な看護を実践します。
3.循環器看護の質向上のため、自己研鑽に積極的に取り組むと共に後輩を育成します。
4.自己の看護感に基づいて主体的な看護を実践します。
5.看護を通じ人間的な成長を遂げます。
6.部門内、及び他部門内との協働を深め、チーム医療の充実に最善をつくします。
また当院では基本方針に則り、以下の案内を致しております。
1.ご来院の方は、担当医の変更を求めることが出来ます。
(病棟の看護師にお申し出ください。なお、申し出ることによって診療上の不利益を受けることはございません。
2.ご来院の方は診療情報を知り、担当の医師、看護師に治療を自らの意志で決定することができます。
(ご自身の診療情報については、担当の医師、看護師に気軽にご照会ください。コピー等の提供に関しては「診療記録等の開示申込書」の記入をいただく場合があります。
3.ご来院の方はご自身のプライバシーを守ることができます。
(病室入り口のお名前表示が不都合な場合にはお名前の表示を行いません。ご希望の方は病棟看護師までお申し出ください。
4.診療に関するご相談を病棟スタッフがお応えいたします。
●治療・看護に関する相談について
担当医師、担当看護師、看護師長がお応えいたしますのでナースステーションまでお尋ねください。
●医療制度、医療費などに関するご相談について
医事部職員がお応えしますので、病棟看護師長、もしくは1階医事部まで直接お尋ねください。
●転院先の医療情報
主治医、若しくは病棟看護師長にお申し出ください。
【個人情報の厳守】
相談の中で知りえた情報は、ご来院の方の同意をいただかずに口外することはありません。
さらに
5.医事事故防止への取り組み
当院では医療事故防止マニュアルを策定し、マニュアルに沿って万全の危機管理体制をとっております。「医療安全推進委員会」を設置し、事故防止対策について日々改善を進めております。
患者様に対しては事故防止の観点から以下の点をご強力いただくようお願い申し上げます。
●ベッド柵の設置
●ご本人によるお名前の確認
●診察券、リストバンドなどによる本人確認
●看護師による内服薬の管理 等
6.感染防止対策について
当院では「院内感染防止対策マニュアル」を策定し、マニュアルに沿って万全の危機管理に努めております。「院内感染対策委員会」を設置、対策を実施するとともに業務の改善にも取り組んでいます。
以上
私は検査入院中、医師や看護師から徹底したケアを受けました。医師は様子伺いに何度も病室を訪ね、あるいは説明室に私を呼んで臓器の機能や、なぜ検査が必要か、検査の方法、考えられる検査のリスク、検査器具などを見せ、触わらせて詳細に説明をしました。
医師は少しも偉そうな態度を見せず、私が発する質問に明快な答えをしていました。その上、質問があればいつでも申し出てくれと終始笑顔で語りました。
担当医師の変更を申し出ることができるなんて病院は初めての体験です。
この病院は、理念に基づき、行動基準を決めて医師から看護師まで実践していたわけです。
私の検査の結果に異常は認められませんでした。入室する看護師は誰もがこの情報を知っていて、良かったですねと異口同音に話し掛けてきました。
私がこの病院から受けたケアは、それは感動的なものでした。そして退院する前にアンケート用紙を看護師が持って訪れました。ここには担当した医師の評価、看護師の評価、各部門(レントゲン、心電図などの現業や受付等スタッフ部門)すべてにわたり、5段階評価をするようになっていました。
そして最後にナースステーションに挨拶に行きましたら、全員が起立をして思い切りの笑顔で、服部さんよかったですねといいました。
病院でさえ時代の変化に対応するためこのように変わろうとしているのに、なぜ企業は高度経済成長時代の意識から抜けきれないでいるのだろうと考えました。
人、物、金は経営に絶対必要なものです。けれども企業にとってまだ必要なものは残っています。
それが顧客です。企業経営にとって顧客は絶対必要な存在ですが、顧客戦略を持たずに良くこれまでやってこられたものです。それは顧客戦略をやらなくても、物は売れたからです。しかしこれからはそうはいきません。需要量が縮小すれば、供給量も縮小せざるを得ません。10の需要が7に縮小すれば、供給も10から7に縮小せざるを得なくなります。供給側10-7の差し引き3は、敗退していくわけです。すでに企業は消耗戦に突入しているわけですが、相手が倒れるのを待つだけでは芸は無く、顧客戦略を企業にいかに導入して定着させるかがこれからの最重要戦略になることは間違いありません。
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