【2010.06.04配信】
服部隆幸です。
顧客獲得、顧客維持育成、LTVなど、顧客マーケティング用語が乱用されていますが、これらの実現はシステムではできません。システムを入れればこのようなことが実現できるのなら倒産する会社はありません。
日本企業はマーケティングを軽視しています。先日、ある直営店舗を多数持つ製造小売業に訪問しましたが、マーケティングを担当する部門はありませんでした。
売上は直営店舗の店長に任せているというより、売上は店長がつくるものでメーカーがやるものではないと言うスタンスでいました。
そして、売れなくなると店長は売れない理由を製品のせいにすると怒っておりました。
このように日本経済がこれだけ変化をしてもいまなお高度経済成長時代の遺物から抜けきれないのいるのです。
顧客獲得、顧客維持育成、LTVのすべては、顧客の心を動かすことによって、実現するのです。
営業の現場で真剣に売上とはなにかを考えて見ると、顧客無しには売上は実現しないことが分かると思います。
私がこの仕事を選んだ1985年、売上を伸ばして欲しいと多くの企業から声を掛けていただきました折に、私は真剣に売上とは何かと考えました。
そして売上はキャッシュで、顧客数と購入頻度とお買い上げ点数と平均商品単価を掛け合わせたものが売上という名のキャッシュに変わると発見しました。
売上要因分析はこうして出来上がったのですが、今月売上を増やすには今月購入顧客数、今月の購入頻度、今月の購入点数、今月の商品単価を増やすことだと考えました。
私は顧客数を増やすことが一番大切だと思い、どうすれば顧客数が増えるかを真剣に考えました。
すると顧客とは、未登録ノンカスタマー(顔も名前も分からない人)登録ノンカスタマー(住所氏名は分かっているがまだ買っていただいていない人)、登録カスタマー(住所も名前もわかって購入いただいている顧客)、未登録カスタマー(買っていただいているが住所氏名がわからない人)に分かれるのだと考えました。
すると一番大切なことは、顧客との接点をいかに設計するかということに思い至りました。
顧客との接点といえば、会っている時と決めがちですが、会っていない期間も含めて顧客接点です。日本企業は訪問営業型、集客型営業も含めてこの点を勘違いしています。
教育は顧客折衝時の接点だけに特化しています。
さて、これからがポイントです。
いま、ようやくなによりも関係性が大切と気付いてきて、訪問営業員や販売員に顧客維持育成、関係深化を求める企業が増えてきています。
企業は、接点とは接触時接点と勘違いしていますから営業社員に関係を深めることを教育しているのですが、それは非常に負担をかけます。
ある自動車メーカーは顧客と年4回コンタクトを取れと教育していますが実態は不可能です。一人の営業員が販売した車は540台が走っているといわれています。
(毎月5台販売×12ヶ月×平均9年=540台)
すると年間に2160回コンタクトを取らなければいけません。
(540人×4回=2160回 年間コンタクト数)
1年間稼働日数240日とすると一日平均コンタクト数9回。
訪問理由は調子伺い、車検伺い、買い替え伺い、法定点検伺いなどさまざまにありますがサラリーマン家庭では平日の日中は仕事で不在ですから訪問しても会えず、電話をしても本人は不在であることが多く、コンタクトといってもできることではありません。
訪問型営業の会社は顧客非接触時の接点概念が存在していることに気付いていないので、こういう営業プロセスを作って実行を要求しているのです。
百貨店などの集客型営業は、たくさんの顧客を持っていますから全部の顧客に対応することができないので、データ分析をして抽出した顧客にプロパー時期、セール時期の案内DMを送っているのが普通です。企業には手立てがありません。それは顧客戦略を持たないからなのですが、その話はさておいて、このケースではマジカルウエポンはクロスメディアを使って顧客と関係を深める(情の関係深化、理の関係深化)目的を実現する唯一のウエポンです。
企業には製品カタログや会社案内(これをノーマルウエポンといいますが)しかありませんから、結局は営業員に負荷を掛けることをするわけです。
マジカルウエポン制作所のHPには2例しか掲載していませんが、顧客ケアの成果は私自身が驚愕しています。例えば住宅メーカー120名でマジカルウエポンを既納客に送付する事で年間100億円近い紹介販売が実現していること、これを営業員に一切の負荷をかけないで実現していること。
こうした驚愕の事実をマジカルウエポンはさらりとやってのけているのです。
よくPR誌を送付することで関係深化が出来ていると考えがちですが、PR誌にもマジカルウエポンの要素を含めなければ関係深化は実現しません。なぜなら一般の企業PR誌はノーマルウエポンであってマジカルウエポンではないからです。
PR誌をマジカルウエポンにするためには、マジカルウエポンとなり得る要素を組み込まなければいけません。
そしてCRMやSFAにとってマジカルウエポンは必須の要素になること、マジカルウエポンが存在して初めて顧客獲得、顧客維持、顧客育成、LTVが実現することがおぼろげながらご理解いただいたと思います。
私はマジカルウエポンを制作するノウハウを右脳的発想と長年の現場経験から築き上げましたが、すべては私自身の暗黙知でした。
この暗黙知を形式知化することで広く顧客戦略(カスタマープリンシプル)構築の本質的な改革になりますし、顧客獲得から維持育成、LTVの実現が始めて可能になりますので敢えてマジカルウエポン制作所を設立したわけです。
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