日中は、怒涛のようにして仕事をしている。
夜更けて家に戻り、一切れのフランスパンと200カロリーで調製された食事と、半丁の絹ごし豆腐と、豆腐に掛けるモズク酢が夕食の定番メニューだ。そしてyoutubeで好きな音楽を聴いて、寝床につく。
雀のさえずりのあと、東一杯に開いた窓から朝日が差し込み、リフレッシュした身体を起こす。朝食は200CCの牛乳と、一切れのフランスパン、トマト一個にハム1枚。
地球の自転にあわせてすべての生き物は目覚め、活動し、睡眠をしている。日の出と共に生き物の多くは命を再生し、生産と消費をし、夜になると睡眠という名の仮死を遂げる。
私もようやく地球の自転に合わせて生かされている存在であることが分かるようになった。歳のせいなのか。動き方が単純化されたために気がついたのかは定かではない。
私は大企業の営業再生に取り組んでいる。古い営業形態を新しい営業形態に変える仕事だ。経営理念を変え、プロセスを変え、情報システムを変え、教育を変え、人事評価を変え、企業構造を変える仕事だ。日本を代表する企業から仕事が入る。この仕事を怒涛のように行っている。
そのために私に一切れのパンが与えられている。私は宇宙のリズムによって日々再生し、仕事を終えた後は再生のための仮死を行う。そのリズムは宇宙から与えられたものである。だから私は宇宙とつながっていると思うようになった。いや、私そのものが宇宙である。これは悟りではない。そう整理するとすべて繋がってくる。
生き物には太陽が不可欠だ。太陽と私は無関係ではない。太陽が消えれば瞬間にして私は消える。だから私は太陽とつながって生かされている。いや、私は太陽によって作られた分身なのである。これらは宗教ではない。そう整理すると納得がいく。
宇宙の原則は誕生(創造)と成長と衰退と死(消滅)の4つだ。だから宇宙そのものである人間も誕生と成長と衰退と死を繰り返している。死は必ずしも衰退の後に来るものではなく誕生の後に迎えることもある。しかし大きな流れは宇宙の原則にしたがっている。
人はなぜ明日のことを思い悩むのか。それは欲がなせる業だ。不安は欲から生まれるものだ。
鳥は宇宙の法則に順応している。弱肉強食の世界に身を置いて飢えを凌ぎ、子を作り、子を育て、子と別れ、それを繰り返しながらやがて衰退して、他の餌食になるか、土に還って土に棲む微生物によって分解され、土壌を豊かにする。それだけを宇宙の法則にしたがって行っている。それでも宇宙の法則にしたがって生きているから何かの役に立っている。他の餌になって他を生かす役割、土壌に還って植物や動物を繁栄させる役割。こうした役割が大きな渦になって地球環境は循環している。
私は、晴耕雨読の生き方が宇宙の法則に従った生き方ではないかと思う。もう少し考えてみよう。