明日から、仕事再開だと決めた日。自宅の庭に出た。自粛中は防空壕に入って過ごしたような時間が止まった空間の中にいた気がした。
自粛して何が終わり、何が始まるのか、自問していた。自粛に意味などなかった。戦時中に潜った防空壕は空襲から身を守るために必要で、空襲が終われば時間は元通りに戦時下の日常に戻った。
しかし自粛外出禁止は、そうはいかない。自粛していればコロナウイルスに感染しないが抗体はできない。事業を止めれば日銭は入らない。外に出れば、また感染の危機に立つ向かうことになる。腹を決めて外に出るしかないのではないかと自問した。
生活が狂いだし、朝と夜が逆になりはじめた。夜にPCに向かい、起床はほぼ正午。そんな時間で三週間が過ぎた。
意を決して、明日から仕事に出ようと決めた日。自粛して初めて庭に出た。
紅葉(もみじ)の新芽時期は終わって、若緑色から深緑色に変わりつつあった。
三本ある柿木も青々としていた。驚いたことに柿の若木が4本も芽生え、立ち上がり、1メートルばかりに育っていた。
もうガクアジサイも咲きだしていた。
園芸店で購入した100円のミニ柘植も大きく成長し小型の花を一杯に咲かせていた。
早春に真っ白な花を咲かせていたモクレンも大きな葉をつけていた。
私が自粛外出禁止令に従って、家の中で委縮していた時間に、植物は相応の成長を遂げていた。
オフィスの空中庭園もさぞかし葉が茂っているだろう
明日から春日だ。。