信州で暮らしている和久井さんと久しぶりに長い会話を楽しんだ。
和久井道夫さんは、世界を股にかけて活躍しているガーディナーである。ここで彼の華々しい経歴を描く必要はない。
最近では、毎年、避寒もかねて東南アジアの村に入り、村人と密着してある時は石の建築物をつくり、またある時は竹の建築物をつくり、その美しさに村人を感動させる一方、和久井さんも現地から学ぶものも多く、たくさんの知恵を身に着けて戻ってくるような生活をしているのだ。
和久井さんの家は浅間山系の一つ高峰山の中腹にあって、ここに楽しい庭をつくっている。
平原綾香さんの「カンパニュラの恋」は、袋小路に入ってしまった恋の行方を、ショパンの夜想曲20番に手を加えたメロディーにして切なく唄ったものだ。
和久井さんが育てたカンパニュラの前に立ってふと夜想曲、遺作を口ずさんでみると切なさの元が分かるから不思議だ。
和久井さんとこの冬に酒を飲み交わそうと嬉しい約束をした。