いつだって出逢いと別れは一対になって存在している。
出逢った瞬間から、別れが一緒に住み付いて生活を共にする。
死は愛と一緒に絡み合っていて、愛の身近に存在している。
愛と別れは同じ意味だ。
後ろを振り返ってごらん。
死んだ人々が激流のように流れているから。
たくさんの愛を抱きしめながら。
人は死を恐れるけれど死ぬことは決して悲しいことではない。
ぽっかり空いてしまった心を埋めるには時間は掛かる。
やがて彼は君の身近に存在していることを知るだろう。
君が悲しいときに彼も悲しく、君がうれしいときに彼も声を立てて笑うだろう。
彼と決して別れていないことに気が付くはずだ。
なぜか分かるかな。
世の中はすべてが一対で出来上がっているからだ。
富と貧、山と谷、好きと嫌い、・・・・・・・・・・・
闇は光と一対なのだ。
人間は一箇所にとどまることはできない。
時間はあなたを助けてくれる。
闇にいるあなたを光の当る場所に連れて行ってくれる。
そのために自分でも努力をすることだ。
哀しみの元になる彼が愛した楽器は、彼と楽器を愛する人に差し上げなさい。
理解できる人に差し上げれば大切にしてもらえるからだ。
それ以外の彼が遺したモノはすべて捨てなさい。
捨てられないモノは、彼の両親や弟に差し上げなさい。
思い出の品を手放しても何一つ失ってはいない。
モノを捨てたときに、彼とのことが真実の姿を見せる。
大切なものはモノや形式ではないのだ。
明日に希望を持って多くの出逢いと別れを繰り返して生きていきなさい。
君にも必ず訪れる人生との別れが来る日まで。
時折は、彼のことを思い出すとよい。
死んだ人は思い出した人の心の中にいつだって生きることができる。
思い出しさえすればいつでもどこでも彼を身近に感じることができる。
そして彼に感謝をし、君の人生を駆け抜けていきなさい。