売上げ高とは突き詰めればビジネスを介して得た現金のことである。売上げ高の構成要因は顧客数×購入頻度×一客点数×商品単価で出来上がっているのだから、四つの要因、顧客 数と頻度と、お客様の購入商品点数と商品単価を増やすことが、売上げを増やす唯一の方法であることは、すでに周知の事実である。
私は四つの項目を「素数」と呼んでいる。どの項目を増やせるのかは業種によって異なる。
都市部で一般家庭にクルマを販売するケースでは、頻度や商品点数それに商品単価を決定する
のは顧客だから、販売拠点としてはまずはセールスマンに檄を飛ばすのは顧客数の拡大である。それはクルマ台数を販売目標としていることとほぼ同じと考えてよい。
顧客数×頻度×商品点数を乗じた答えがクルマ台数(商品点数)である。
従って自動車販売業界ではセールスマン一人目標が月5台とすれば、@250万円として月目標を売上げ要因分析で考えると顧客数5人×頻度1回×商品台数1台×平均単価250万円=1250万円という式になる。
もちろん車検や定期点検、車両事故などの入庫を拡大することと、クルマだけでなく車両保険、クルマのアクセサリーなどを販売することは販売拠点としては重要なことである。
しかしながら販売拠点はクルマだけではなくいろいろな商品を販売するように計画を立てているがなかなか目標通りに行かないのが現実である。
セールスマンからすればクルマとその他の商品では単価が違うから、クルマ以外は積極的な販売意慾が出ないこともあって拠点としてはクルマ以外の販売計画を含めて年間予算を出しているのだが実際は、クルマ以外の商品は目標未達成の販売拠点が多いのが実際である。
売上げ要因分析は業界にあわせてその公式を変える。例えば製薬会社の売上げ要因分析は一施設あたりの当社製品売上げ=今月当社薬剤処方箋を書いたドクター数×1ドクター今月平均処方箋枚数×1処方箋あたり当社薬剤数量×平均当社薬剤単価となる。
製薬業界のMRとは、医薬品の適正使用のため医療従事者を訪問すること等により、医薬品の品質、有効性、安全性などに関する情報の提供、収集、伝達を主な業務として行う者のことを指し、医薬情報担当者という。
MRの活動は4素数をアップさせるために活動をしていることが、この要因分析を見ていると分ってくる。
ここまで素数が見えてくると、この改善のためのシナリオやRSツールはどうすればよいか実に明快に次の一手が見えてくる。
私は売上要因分析を見て、どの素数を増やすことができるかを確認する。例えば4素数全部を増やすことができる業種があるかと思えば、先例で出したクルマのように顧客数を増やすことだけに専念しなければならない業種がある。
保険業界では、顧客数と頻度と一客点数と商品単価をアップすることができる。
そこで売上げアップの戦略が決まることになる。この売上げアップ戦略とはつまるところシナリオとRSツールに尽きる。
営業改革とは見える化だけを推進することではない。見えなければ何も始まらないわけだから見える化は必要だ。しかしながら(従来のやり方では)見えても売上 げは増やせないこと知らなければいけない。大事なことは見える化がゴールになることではなく、見えたら顧客数を増やし、頻度を増やし、商品点数を増やし、 商品単価を上げて継続した売上げの拡大を実現すること、それを継続していくことが終わりのないゴール目標なのである。
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