1.営業プロセス全域をカバーするCRMでなければいけない。
大きく分けると次のプロセスになる。
(1) 件発掘プロセス
(2) 契約プロセス
(3) アフターフォロープロセス
(4) 再案件発掘プロセス
(5) ライフタイムバリューマネージメントが実現できるプロセス
全体的にいえることは企業の形式知となり得るSFAでなければならないことである。
SFAの最終目的は二つ。一つは契約率を高めること。二つは顧客企業の生涯価値をマネージメントできること。この二つに限定される。
その上に立って、プロセスが可視化できその結果営業マン全員の形式知となり得るSFAでなければならないことだ。
このような組織的な形式知をもたないと、営業マン個人の暗黙知に企業の売上げを依存している状態が続く。
さらに営業マン個々に違う能力のばらつきを埋めることが出来ない。
したがって平均値の底上げが出来ない。
個人の暗黙知と形式化されたナレッジとの差分を埋めることが出来ない。
上司は精神論的な発想でしか部下にアドバイスを出来ない。
本部としてのコントロールが出来ない。
という弊害が付きまとう。
だから形式知化は、SFAを導入するに際しての根幹的な事項である。
(1)の案件発掘プロセスは一般には定期訪問プロセスというが、定期的に企業訪問すれば、ぼた餅が棚から落ちてくる訳でもなく、犬も歩けば棒に当たるというものでもない。配った名刺の量で評価されるわけではない。案件を発掘することを目的としたプロセスが確実に出来上がっていないといけない。だからこのプ ロセスを定期訪問プロセスと呼ぶのではなく案件を発掘するためのプロセスと定義するのが正しい。
そのためには特に新規顧客企業であればなおさらのことだが、エモーション軸をどうプロセスとしてデザインするかが重要になってくる。
名刺を置いていくだけの営業マンではSFAを導入する意味は余りない。導入するからには顧客とエモーションを軸に関係を深めていくプロセスのデザインが極めて重要でこの部分が、SFAの入り口のはずである。
訪問する顧客を定義し、ランク付けをし、ランクごとに案件発掘プロセスに基づいて顧客に訪問をする。
ここでの仕事は関係を構築することと、当社の製品について顧客に理解を頂くことの二つが主なものになる。
そのためにはプロセスの目的に達するまで、すなわち案件が発掘できることをゴールとしたリレーションシップツール、エモーションツールの準備が必要になる。
案件が生じる時期は顧客任せになるのが普通だが、ツールと言動を組み合わせていち早く案件を発掘させることを促進することは重要である。
(2) 契約プロセスは文字案件が生じたら契約に至るプロセスをガイドして契約に導くわけだが、SFAはまさしく理論的に営業マンを契約にいたるまでガイドするように作らなければいけない。
我が社では営業マンが契約に至るまでの道順を書いたMAPを作成することが良くある。もちろん案件ストップ行き止まりと言う情報を加えたMAPである。いまどのプロセスにいて次はどこへ行くことになるから今何をしなければいけないことがこのMAPを見ればすぐにわかる。契約に至るプロセスとはまさに谷あり、行き止まりありの道順である。MAPとは、その道順を示しどう進めば契約にたどり着くかを明らかにしたものであるのだが、このようなMAPがあれば営業マンは現在位置がわかり、この先の進む方向がわかり、次には何が待ち構えていることがわかり、そこを解決したら次の一手がどのようなものであるかがわか るものでなければいけない。
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