◆失敗1
システムの機能を優先してシステムを構築したがために実際の営業活動とシステム機能と乖離し、入力そのものをしなくなる。
◆教訓1
SFAはシステムの機能が最優先するものではなくマーケティング理論に基づく顧客創造、顧客育成、受注率アップ、LTM(Life Time Value Management)が実現できるようにならなければいけない。
◆失敗2
プロセスの可視化はゴールではない。しかし可視化をゴールにしてしまったために、その先の対応が導入企業任せになって、その結果営業マンの行動を厳しく管理するだけのSFAになってしまった。
ITベンダーは営業管理から営業支援へ、と叫んでいるけれどマーケティングのマの字もわからない人たちだからプロセスの見える化から先に進まないでいる。
◆教訓2
SFAはプロセスが見えるようになれば、それで済むわけではなく、マーケティング理論に基づく顧客創造、顧客育成、受注率アップ、LTM(Life Time Value Management)が実現できるようにならなければいけない。
◆失敗3
商談の契約をゴール(10)として、途中経緯をランキングするSFAがある。
100%か〇%か、勝つか負けるかの営業では、いくら商談の経緯をランキング定義しても最終的には勝つか、負けるか、とるか、とられるかであり、ランキン グはまったく意味がない。ランキングを信じ工場の生産工程と紐付けた会社では大混乱をきたして、SFAそのものの使用を中止した会社が続出した。
◆教訓3
大事なことは実質的に受注に向けていかにプロセスを進捗させるかであり、マーケティング理論に基づく顧客創造、顧客育成、受注率アップ、LTM(Life Time Value Management)が実現できるようにならなければいけない。
◆失敗4
情報システム部がSFA導入の予算を握り、したがって導入の決定権者になった。
情報システム部は、営業部メンバーをプロジェクトに加えたがシステム中心の会話では、営業部から参加したメンバーは何のことやら理解されなかった。
情報システム部は機能比較を行いパッケージを選定した。
機能の多いものが選定される効率が高かった。
営業部は完成したSFAは現実のプロセスと乖離しているがために使わなかった。
宣伝部は、CRMプロジェクトが作るツールを権限違反と非難した。
教育部は、SFAとはまったく異なる従来の個人スキルを伸ばす教育方法に専念し、SFAを無視した。
◆教訓4
SFAは全社で取り組まなければいけない。プロジェクトで終わらせるものではない。
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先行したSFAの失敗事例は大きく以上の4つである。
そして教訓から得られるものは、マーケティング理論に基づく顧客創造、顧客育成、受注率アップ、LTM(Life Time Value Management)が実現できる仕組みが備わったSFAの構築である。
このSFAはITを使いシステム的に完成するものではない。ITはあくまでもツールにすぎない。
必要なものは自社の営業プロセスをどのようなマーケティング理論で包み込むかなのである。
始めに機能ありきではなく、始めにマーケティング理論ありきなのである。
そのためには、システムの機能を埋め尽くすのではなく、訪問準備をどうするのか、新規開発顧客の選定規準、訪問スケジュール、訪問方法、必要なツールなどをマーケティング理論に基づいて紙ベースで整理する必要がある。この作業はアナログなのである。
ここで現状業務をそのまま登載するのは良くない。大事なことは現状のプロセスをマーケティング理論上に焼き直す作業である。
こうして訪問準備、定期訪問をしながら顧客企業から案件を発掘する作業を行なう。そのためには顧客と関係を深めることをしなければならない。
その手法は何か、どのようにすれば親しくなれるのか、形式知にするためにはツールを使わなければいけない。ツールとは何か。こうしたことはマーケティング理論が必要になる。
だから実際のプロセスをマーケティング理論に照らし合わせて、焼き直す必要があり、これが、まさにコンサルティングの作業そのものなのである。
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