SFAは顧客戦略であり、顧客との関係を深化させることによって永続した取引を実現する、ワントウワンマーケティングと、リレーションシップマーケティングと、BPRをミックスしたものであると考えることが正しいと私は信じている。
尻尾にマーケティングと付ければ、すべてマーケティングになってしまうのはどうかと思うが、ここで説明を加えるのならワントウワンマーケティングとは、顧 客との1対1の関係を構築してLTM(Life Time Value Management)を最終目標とするマーケティング手法であり、リレーションシップマーケティングとは、顧客との関係を深化させるマーケティング手法であり、BPRとは皆様おなじみのビジネスプロセスをリエンジニアリングし、目標実現に添って最適化することである。
SFAは顧客戦略であることをもう少し具体的にするなら、本来SFAとは売上げを伸ばす手段として顧客戦略をベースに(ワントウワンマーケティングをベー スに)、リレーションシップマーケティングを採用し、この二つの手法で、(新規顧客創造、受注率拡大、既存顧客育成、LTV実現)売上げを伸ばす仕組みを 構築し、業務プロセス、組織などを最適化するシステムとなる。
業務プロセスの最適化を解説すると、営業の業務プロセスを細分化し、これ以上小さくならない素数までプロセスを分解し、その素数を目標達成(新客を開発する、受注率を高める、既存顧客を育成する、LTVを実現する)のために組み立て直すことである。私は、SFAをこのような考えでデザインしないと完成しな いと考えている。
繰り返し述べていることだが、SFAは(CRM)は、本来アナログで設計されなければいけない。
すべては人間が行なう。人間がアナログで設計しなければいけない。その上で人間が行なうべきことと、ITが行なうことを区別しなければいけない。例えば BREAでは目標実現に向けて(新客を開発する、受注率を高める、既存顧客を育成する、LTVを実現する)シナリオの設計は人間がやっている.ITに登載 するまでは人間の仕事である。その後に複雑で精緻なシナリオを人間がやるのではでき得ないから、ここはITに任せる。するとITは、目標実現に向けてプロ セスを自動生成し(ここがITの得意技で人間の不得意技)アクションを営業マンに指示をする。だから業務プロセスは、マーケティング理論に添ってアクションになり、リレーションシップが展開できることになる。
SFAをBPRで捉えていると、現状のプロセスをITに登載するだけであるから、プロセスの見える化しかできない。見える化はそれなりに価値はあるが、見えた後にどうするのかが無いから見える化で終わってしまっている。
日本企業には顧客マーケティングの専門家はいないといって言い過ぎではない。永くマスマーケティングに慣れ親しんでいる企業は、大手広告代理店にマーケ ティングを依存し、マーケティングといえばマスマーケティングの検証手法であるような時期があった。例えば市場調査、販売した商品のアンケート調査などマ スマーケティングを補完する手法が、マーケティングであると捉えられた時期があった。
だから大企業になるほどマーケティングとはその名前の意味するものとは裏腹に、商品パッケージのデザインとか、どの棚にどこの商品と並べておいたら自社商品が一番売れるかなど、分野としてはVMD分野をマーケティングと称して業務にしていたわけである。顧客戦略をSFAに軸にしなければその傾向は今後も変 わらないだろう。
BREAの売上げ要因分析でわかるように、売上げ=顧客数×頻度×一客点数×商品単価であり、商品点数=顧客数×頻度×一客点数であることからも、SFAであっても顧客数を増やし続ける戦略が絶対に必要不可欠であることは明らかなのである。
コメント