今、日本の企業が志向しているマーケティングの方向性は、物が不足している時代に、物を購入することによって生活の質を改革したい人たちに向けて、ものを提供する高度経済成長戦略そのものである。
手で洗濯物を洗っていた時代に、洗濯機の出現は革命的な生活改善をもたらした。
ラジオしかない時代に、テレビの出現は革命的な情報改善をもたらした。
氷の冷蔵庫しかない時代に、電気冷蔵庫の出現は革命的な食品保存改善をもたらした。
企業が拡大する方法を、どの企業も同じベクトルで進んでいる。
それは以上のような考え方である。
1.新たな販売エリアを拡大する。
1)店舗数を増やす
2)営業所を増やす
3)営業人員を増やす
4)インターネットモールに次々と出店する
2.新たな販売組織を拡大する。
1)代理店網を増やす
2)販売チャネルを増やす
3.同一カテゴリー内の扱い商品群を増やす。
4.新たなカテゴリーを増やす。
5.顧客接点チャンスを増やす。
1)販売時間を延長する
2)人の集中する場所に出店する
3)有名インターネットモールに出店する
6.圧倒的に支持される新製品を開発する。
7.ブランド力を高める。
8.経営統合を繰り返し、シェアを寡占するまで企業を大きくする。
これらはすべて高度成長時代の遺物というべき戦略である。
企業は今、日本が置かれている市場構造がどのようであるかを知っているはずだ。
・少子高齢化時代が続いた後、人口が極端に減少する市場。
・商品が成熟している市場。
国内市場に限って言えばすぐそこに人口減市場が到来することが分かっている。
高齢化した老人がこの世を去り、人口現象が続く時代になったときに、今までの戦略はまったく通用しない時代が生まれる。
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