【2008.10.31配信】
ブレアコンサルティングの服部です。
以前のMMで身内が被害者となった自動車物損事故の話をしましたが再掲して顧客は誰かということを話したいと思います。
家族が大型駐車場の屋上に停めていた自動車で駐車場を出るために螺旋状のスロープを下っていたところ、停車中のクルマが急発進して、家族の運転するクルマの後尾にぶつかりました。
私が事故の窓口になり加害者の保険会社事故担当代理人と話をしたのですが、この状況は10:0になるのではないかと代理人の女性に話をしたところ、
「ああこれはもうだめだ。もう話にならない。もういいよ。あんたの保険会社と話をするから」
と言いました。
続いて
「両方が動いていて起きた事故は10:0にはならないの。ちゃんと裁判の判例になるのよ」と言いました。
「ずいぶんと失礼なことを言いますね」といささか腹が立った私は文句をつけますと
「私はあんたの代理人じゃないの。両方の面倒なんか見れないわ」といいました。
この損保会社はダイレクト損保でいつもテレビ宣伝をしているS社ですが、きっと顧客=『自社保険の契約者』と定義をしているからであろうと思いました。
親しくしている某損保会社の方にこの話をしましたところ、他社のことを笑えませんと言いながらも、うちの優秀な事故担当者は事故を起こした相手方の顧客を自社の顧客にしてしまいますと言った。
きっと顧客対象者を「クルマの所有者全部」と定義しているのだろうと思いました。
別の話をします。
自動車ディーラーのA社は自社で販売した顧客(自動車)以外の入庫を断ったことで怒った顧客がメーカーにクレームをつけて、メーカーでも大問題になりました。
このディーラーも自社で販売した顧客だけを顧客と扱うと定義したわけです。
それでは自動車ディーラーにとって顧客になりうる人とは誰でしょうか。
(1) クルマを持っていない人。
(2) 他社ユーザー
(3) 中古車を中古車店から購入した人。
(4) 既存顧客(住所の分かる人)
(5) 既存顧客(移転先が不明の人)
細かくいいますとまだたくさん切り口があるのですが、これらは顧客であり顧客になりうる人です。
また別の話をします。
百貨店では、次の顧客がいます。
(1) 登録カスタマー(自社カード会員顧客)
(2) 未登録カスタマー(現金、他社クレジットカード会員顧客)
(3) 登録ノンカスタマー(カード会員でカード未使用顧客)
(4) 未登録ノンカスタマー(顔と名前が分からない顧客)
ある商社では次のようにグレード仕分けしています。
(1) 当社のメイン顧客(企業規模も取引額も大きいメイン顧客企業)
(2) 今後、メイン顧客にしたい顧客(企業規模は大きいが取引額は少ない顧客企業)
(3) 取引希望顧客(企業規模は大きく、他社ユーザー顧客企業)
(4) その他の顧客(企業規模も取引額も小額顧客企業
(5) 無視顧客(企業規模も取引額も小さく当社の顧客になりえない企業
このように業態業種で顧客とは誰かと問えば、答えは違ってきますがあなたの企業も顧客とは誰かを考えたことがありますか。
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