【2009.05.29配信】
カスタマープリンシプル活動は知の格差を生む社会です。堺屋太一氏が以前から主張しているように、日本もいよいよ智恵が価値を生み出す知価社会に突入するわけです。
この知価というのがこれまでは漠然としていましたが共生社会での知価となると実に明確になってきます。
営業担当者が提供する知価とは、顧客と関係を深めて、顧客と一緒に顧客が求める価値を発見して、実現する活動全部を意味します。これをカスタマープリンシプル理論に当てはめると、顧客と情と理の関係を深めることによって、取引ではなく取り組みの関係を構築し、したがって顧客と一緒にASKで顧客の価値を発見し、顧客と一緒に自社の営業プロセスを進捗させることが顧客と企業の価値の実現につながることになります。
営業担当者は顧客と関係を深めることと価値を発見することと、適切な実現をすることが求められることになります。
企業は営業担当者に顧客と関係を深める方法と、価値を発見する方法と、価値を実現する方法を教育し、それを管制(管理制御)していきます。
MM174号で書きました明治安田生命の事例を思い出してください。
会社は営業職員に対して、既存顧客一軒あたり年間4回の訪問を求めてこの実施をポイントで管理制御します。そして対面マナー、関係深化の方法、商品説明、商品知識を教育し、実務的なロールプレイイングのテストを行います。会社は顧客と関係を深める方法と価値を発見する方法と、価値を実現する方法を仕組み化し、営業職員に教えるのです。
営業職員は、愚直に行動をすることで結果として顧客と関係を深め、顧客の価値を発見し、活を実現することができます。その成果は保険の継続、新規商品の販売、顧客の紹介となります。営業職員はこの活動を通じて顧客を支え、会社を支えることになります。
その結果営業職員は顧客と会社から支えられることになり、共生社会がここで実現していきます。会社は営業職員の活動の枠組みを構築して具体的に実行させるわけです。そのことで営業職員の知価能力を高め、顧客の価値を実現する仕組みが回り始まります。
結果として会社は顧客と信頼関係を構築して、継続した契約と顧客創造を得ることができます。
顧客も常にケアをしてもらっていることで安心して契約維持することができます。
共生社会は人を支えることで自分も支えられる社会です。しかし共生社会に入れる企業・人と、入れない企業・人が出てきます。
ここに格差が生まれると思います。
私はこれからカスタマープリンシプル活動を取り入れる企業は増えてくると思います。多くの評論家や学者が次の時代は共生社会と言い切っておりますし、私もそうであると確信をしています。CRMやSFAが、カスタマープリンシプルを実現できるものに変わるというのは確かなものになります。
カスタマープリンシプル活動にしかし働く人の中にはカスタマープリンシプルを実現できない人も能力的にいるわけです。いわば共生社会に入れない人たちは共生社会外で働くことになります。それはコスト削減社会の真っ只中で働くことを意味します。知の格差社会がこうして生まれます。
私たち、カスタマープリンシプルをデザインするコンサルティング会社、導入するIT会社は、共生社会に働きの段階を作って共生社会に対応能力が少ない人でも能力に応じた共生社会参加要員として役立てるように設計をすることが必要と思います。
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