【2009.06.26配信】
私は学生時代のゼミナールの仲間達といまだに交流を続けている。それは類まれなる真面目な男がいて、ゼミナールの先輩後輩を束ねて会を作り、年に1回ゼミナールの恩師と共に飲食会の幹事をやり続けたその男の勤勉さの賜物だが、学生時代からこうして卒業して44年も経過した今でも交流は続いているのである。これだけ長く続くとお互いを労わりあうことが出来る一体感が生まれるから不思議なものである。
恩師は65歳の時に食道ガンのため逝去した。もう15年ほど前のことである。そのあともこの幹事は恩師が永眠するお寺の門前に皆を集めて、坊さんにお経を頼み、一人ひとりが墓前に手を合わせて、それから近くにある和食店の二階で恩師が生前していたときと同じように卓を囲んで近況報告をしてひとときを過ごすわけである。
私は毎年、この会に参加しているので時系列を追って毎年一歳ずつ歳をとっていく人たちの精神の変化を読み取ることが出来る立場にいる。考えようによっては実に素晴らしいサンプルを持っていることになる。
定年をして、すぐの人たちは再就職の難しさや、給料の安さを嘆く声が多いが、65歳を越えた人たちは、稼業をついでバリバリ仕事をやっている人たちも、そうでない人も、「モノには興味がまったくなくなった」と、はっきり言い切るようになっている。男女を問わずである。
近況報告はお互いに40年以上も続いている学生時代からの利害関係ではない仲間達だから本音を語る。
モノはいらない。美味しいものもさほど興味がない。健康を維持するため食事制限はしている。運動をしている。元気なうちに旅をたくさんしたいという点だけが女性の特質である。
男性はそういう夫人に連れられて旅についてっている感じである。
退職金は万一の時のために手をつけないでいる。万一に備えるとは脳卒中で倒れたとか介護が必要となったなど、不慮の事態に備えて子ども達に迷惑を掛けたくないということである。
そのお金が
残ったら子ども達に置いていけると思っている。
まあ、こんなことを近況報告で発露しているわけである。
今日本では65歳以上の人口が全人口の21%以上達している超高齢社会にいる。2050年にはこれが35%になるだろうといわれている。
我がゼミナリステン(ゼミの仲間)は、成熟し尽くしている日本における平均的な老人社会の姿そのものである。一番お金を持っている人たちが一番お金を使わない。それは成熟社会にあって、政治は不安で未来が不透明、再び関東大震災が起きるかもしれない、年金がいつ破綻するか分からない、経済は不況、大淘汰時代の引き金ともいえる超デフレスパイラル社会が待ち構えているとなれば、頼りになるのは自分の健康とお金だけという気持ちになる。
日本人は悲観的でマイナス発想が好きなようである。
この余波を初めに受けたのが百貨店である。次いでスーパーマーケット、家電、飲食店、・・・次々と連鎖を巻き起こしている。これらは経営三要素で体制を組んでいる業界である。
残念ながら余波は次第に大津波になってすべての業界が、すべての企業が巻き込まれる。
私はつくづく思う。企業は人・物・金そして顧客を加えた経営四要素で経営を行う体制を早く構築することである。
コスト削減、次いで内部統制(CSR)、J-SOXなどで内部をガチガチに固めれば、こうした時代変化に顧客要素を持たずに立ち向かえると思っているのか。
顧客と関係性を通じて、顧客の価値を実現する共生社会を実現する経営体制を実現しないと、縮小する需要に価格破壊で体制を組むしか対応が出来なくなる。なぜか。顧客との関係性ができていないからである。
Bujapah zidiga, ohizo jonogic upeqi pe, lef irumosafin anaru obamife camadej!!!
投稿情報: rxrfeozwsk | 2012/12/15 01:39