【2009.06.19配信】
トランザクションデータベースの構築方法が変わります。
これから百貨店は顧客と関係性を通じて顧客と一緒に価値を発見して、顧客の価値を実現することで百貨店の価値をも実現することが求められます。
その実現には部門ごとに必要な情報がデータベースから取得できなければなりません。
部門とはMD部門、顧客部門です。
商品を準備するMD部門は、顧客と関係性を通じて顧客の価値を発見するために様々なASK項目を用意して顧客に聴いていくことが求められます。
これまで百貨店のMDは、マーチャンダイザーと呼ばれる商品選択のプロが自分のセンスや感覚に頼って商品を選択していました。もちろんデータ分析も採用していることは当然です。
カスタマープリンシプル活動では、顧客に聴いて価値を発見し、そのデータを集計して一定の法則をつかんでいくのです。するとデータベースの構築方法が変わってきます。
顧客プロファイルも、MD部門から見て最適なスタイルを実現する必要があります。
また顧客部門は分析だけでなく顧客と関係を深めるためのDB項目の整理、次の購買価値を発見することで、価値を発見し顧客の価値を実現するための商品提案を実現するためのDB項目の整理、また、全プロセスを可視化して次の一手を考案する指令塔であるマーケティング・コントロール・センター(MCC)機能の実現に向けてDB項目の整理と、MCCから見た画面遷移の構築など、これまでにないDB構築ノウハウが必要となります。
これからの時代、生き抜く戦略が顧客政策であることは誰もが認めることですが、そのやり方が分かりません。少なくともRFM分析で顧客を抽出し、DMを発送するという旧来のDBマーケティングを信じて行っているのでは幸先はありません。
先日ある百貨店の顧客担当部門が現場に指示をしているRFM分析による顧客抽出とDM発送を、はじめて自分の部署でテスト的にやってみたらしいのですがヒット率はゼロであったと話しておりました。
これまでもそんなことは分かっていたのですが、店を開ければ顧客は来店して一定の売上げは確保できていた時代には、取り立てて目くじらを立てることではなかったのかもしれません。
しかしいま、これだけ急速に売上げが落ち込んでいくると、このままの形では例え景気が回復したとしても百貨店経営が回復するとは思えず、そこで多くの百貨店が真剣に顧客政策を経営に組み込まなければならなくなったと思います。
経営3要素から経営4要素時代に、これまでの感覚でDBを作ってもRFM分析しかできないようでは困ったことです。
百貨店は顧客戦略を、いやカスタマープリンシプル活動をIT企業に任せるのではなく、自分自身がどうあるべきかをプリンシプルに哲学しなければならない時期に差し掛かっていると思います。
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