【2010.07.16配信】
ブレアコンサルティングの服部です。
いま、iPadはWeb創成期のような様相です。ホームページを作成している企業に相談が持ち込まれホームページを作成する技術者がホームページを作る様にして制作しています。
iPad担当者は毎日次々と出てくるアプリケーションを追いかけています。これを使えばこんなことができると想像力を働かせながらチェックしているのです。
私の知人もその一人です。彼は力のあるホームページデザイナーであり自分でもある程度は制作できる技術を持っています。フラッシュを使ってデザインをするのが得意な人です。
彼に話を聴きましたが、やはりデザイン力や見栄えのよさが重要だというのです。突き詰めるとソースやJAVAとは関係ない平面上のデザインのよさが大事だといいます。
ユーザーインターフェースとデザイン性重視ということだと思います。
そして彼は、おもむろにiPadを取り出して、こんなこともできる、こんなこともできるとアプリケーションを使った面白そうな展開を見せてくれました。
これを見ていただくと企業はえらく感心してiPadの活用方法を考えてくれと注文があるといっておりました。
それはホームページ制作で言うグランドデザインにあたる部分です。その上位概念はあるのですかと聴きますと、彼は、上位概念はマーケティングです。と胸を張りました。
このiPadを見るユーザーはだれなのか、顧客の年齢層はなどを検討しなければなりません。それによってデザインが変わります。これらがグランドデザインをするにあたり上位に検討しなければならない概念ですという説明でした。
私がWeb創成期と似ているといったのはまさにこの体験を通じてからでした。
その後も幾人かの人と会って話をしましたがほぼ同様のレベルでした。
私は興味を持って、それでどのような提案をするのですか?と、先に登場した彼に聴きましたら、彼曰くいろいろなアプリを見せて顧客に使い方を考えてもらうのだそうです。一番受けるのは電子書籍に掲載されている写真が動画になるというアプリです。これは面白いからプレゼン用として採用しようという企業サイトの話になるのだといっておりました。
iPadを使えば電子カタログの写真を動画にすることが特別なSIテクノロジーを使わなくてもできるようになります。まさにiPadというフレームワークを舞台にして最新テクノロジーによるIT戦争が巻き起こっている感が致します。
先に掲げた彼が言うようにグランドデザインは重要です。アプリケーションの動向も常に追いかける必要があります。彼が言うマーケティングも必要です。
iPadを採用するに当たって一番必要なものは、iPadをどの目的達成のために使うのかということです。
iPadは見せるものであり、創るのはPCであることはもう通説になっています。
ですから多くの企業は顧客に見せるツールとして活用を考えています。しかし見せることも相手が集団であればPCにプロジェクターをつないだほうがプレゼンをしやすいですし、プリンターで印刷した紙を配布したほうが、記録保全性も一覧性も高く効果が高いと思います。私の想像ですが上記の考えで展開をすればiPadは顧客に見せるための資料ストレージに化してしまうと思います。
さらに企業の製品改良が次々と進めばどのデータが最新情報かの整理も付かなくなり、結局はナレッジデータベースが使わなくなった時と同じように、宝の持ち腐れに終わってしまうと見ています。
iPadが持つ最大の特長は即時対応力を持つワントウワンコミュニケーションツールであることです。顧客が求める情報を即座に提示できることこそが最大の特徴です。
iPadを営業活動に使用するわけですから情報提示には意味を持たせなければなりません。単に顧客が欲しいという情報をサービス提供することも営業活動中には発生しますが、ここでいう意味とは営業活動時の目的達成です。するとそこにはプロセス進捗を支援することが目的として制作され使用されなければならない所にたどり着きます。
そうなのです。iPad制作の最上位概念とは、顧客戦略の構築であり、顧客戦略に基づいたプロセス進捗を実現するためのディレクション業務なのです。
顧客の購入プロセスの止まり木一つひとつに抱く顧客の疑問や不安を聴きだし、即座にソリューションを提示することで顧客の納得と理解を得ることを積み重ね、受注にたどり着くための営業支援ツールとして活用することがiPadの最大活用方法なのです。
受注に至るには幾つもの顧客のYESを獲得しなければなりません。YESを獲得するためにこれまでは人間的な営業力を必要としていましたがiPadで強力に支援しようというわけです。
まさにiPad創成期ですが新聞によると年内にiPadと同様の電子デバイスが21社から発売されるようです。いろいろな使い方が生まれてくると思います。ビジネスユースでも混沌とした中から次第に使い方が絞り込まれていくと思います。
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