【2010.07.05配信】
ブレアコンサルティングの服部です。
今の時代を危機と見るか、機会(チャンス)とみるかは人次第です。チャンスにするためには、チャンスを作るか掴まなければいけません。チャンスはいつも前髪しかありません。
あの時がチャンスだったのになと思うことがありますが、それは後の祭りで、通り過ぎてしまったチャンスを掴もうと思ってもチャンスに後ろ髪はありません。
「備えよ常に」はボーイスカウトのスローガンです。あらゆる危機を想定して備えよ常にと言っています。
しかし危機はチャンスでもあるのですから、危機をチャンスに置き換えれば、チャンスに備えよとも言えます。
いま、日本中どこの企業に行っても、自社でiPadをビジネスに活用できないかと考えています。
いくつか事例を挙げます。
ある大手流通業は、店舗の成功事例を横展開にして、どこの店長にでも見ることができるようにしたいと考えています。こんな陳列をしたら売れたとか、このPOPを貼ったら売れたという事例を写真や動画でアップして各店はiPadにダウンロードしてみるという活用方法です。
ある旅行会社では、店舗のデジタルサイネージ(電子看板)として使用すると考えています。
ある企業では、会議をiPadで展開すると企画しています。紙を一切使用しないで会議を行うと言うことです。iPadも会議終了後に回収をしてしまうと言う構想です。
あるドラッグストアチェーンでは商品提案のツールとして使っていこうと考えています。
SI企業もiPadを使って何ができるかの会議が開かれています。こちらは顧客への提案作業です。
書き出せばきりがないのでもう止めますが、日本中がiPadを手にしたばかりですがこのメディアの可能性について企業担当者は真剣に考え出しています。
しかしiPadの在庫は日本にはほとんどありません。いま、個人が注文しても入るには1ヶ月待ちの状態です。企業が購入し出せばとてつもない台数が動くのですが圧倒的に品薄で、いまのPCのようにいつでも何台でも手に入るようなるには2年くらいかかるのではないかと言われています。ソフトバンクは企業に回ってiPadの活用方法を説明しまくっています。
活用方法を提案してiPhoneを大量に販売しバックマージンを得るビギネスをやっているマーケティング会社もあります。
2年後の予想は誰にもつかないのですが、本年は11年ぶりにバージョンアップしたHTML5の機能がiPadを凌駕することが指摘されています。私もHTML5の関連ページを読んでいますが、凄いなと思います。
(ここでHTML5について解説をする事は致しません。HTML5とはと検索すれば詳細情報を入手できます)
CRM観点では、いま着目するのはiPadという単体のデバイスではなく、この電子メディアは進化し続けることの認識と、電子メディアを使って顧客接点をどのように設計するかの戦略を構築することが大事と思います。過去のCRM導入時に失敗したようにiPadの仕様やアプリに合わせた使い方を考えることになり、本来の戦略からかけ離れてしまうからです。
日本ではいち早く電子書籍を製造しましたが普及しませんでした。それはスペックばかり追いかけて、ことの本質を忘れてしまったからです。ことの本質とはデバイスとしての本来的な目的をどのように実現するかということでした。日本は専用機を開発したがアメリカではipadと言う兼用機を開発し、何でもできますと詠ったのです。
しかし新しいデバイスが出てリベンジするかもしれません。iPadの普及で電子書籍は普及したけれど、iPadでは本は読みにくいと意見が出て専用電子書籍が復活するかもしれないからです。何でも出来るということは、何にも出来ないに通じるわけですからあり得る話です。現に目が疲れるしiPadは本を読むには重過ぎると言う人も増えています。
さて、話を元に戻します。
我が社は複数の大企業からiPadを使ったCRM提案を求められております。
iPadは、顧客接点のうち顧客接触時に使用するものです。顧客と対面時しか使えないと言ってもよいかもしれません。
但しコンテンツは違います。企業が制作したコンテンツを顧客は営業員と会っていなくてもiPadで見ることができます。iPadの目的は「見る」ですからコンテンツは顧客非接触時期にも展開できます。顧客接点の設計観点から考えるとコンテンツの役割と作り方はおのずと決まってきます。
顧客接点とは接触時と非接触時期を含むものと私たちは定義していますが、すると顧客接点とは顧客との係わり合いプロセス全部を指します。顧客接点とは営業プロセスの大部分を占めます。したがって顧客接点の設計とは営業プロセス全部の設計あるいは再構築と言っても過言ではありません。
私は顧客を誘導する観点でiPadにも搭載できるコンテンツを制作します。プロセスを次のプロセスに誘導することを顧客誘導と言っておりますが顧客誘導とは企業目線の言葉です。
顧客目線では、営業員の説明で(ここではiPad上で繰り広げられるコンテンツを見て製品の理解、疑問点、自らの価値実現、課題解決などが納得でき理解できたことによって顧客自らが自分の意志で自らが考える次の購買プロセスへ進もうとする心の変化を指します。
営業プロセスとは別に顧客側にもプロセスがあるのです。これを顧客購買プロセス、または顧客購買プロセスと呼んでいます。営業員は顧客購買プロセス一つひとつを顧客ユニット、もしくは顧客の納得と理解を通じてYESの連続でクリアしない限り、購買または契約にたどり着かないです。このプロセスをいままで営業員は勘と経験でやっていましたがこのプロセス進捗をiPadを使って形式知化して展開するわけです。
こうしたコンサルティングノウハウによるiPadコンテンツ制作技術を使うことによって、私は自信を持ってiPad‐CRM時代の幕が開けたと思います。正確には電子メディアCRMです。戦略とコンテンツが重要な決め手になります。顧客接点すなわち営業プロセスと顧客購買プロセスを設計し、プロセスから次のプロセスに顧客誘導するための電子メディアが必要になります。重要なことは戦略とコンテンツです。この二つがなければ顧客を誘導することはできませんから。
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