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親しい、友人たちが次々と死んでいった。人生の一ページを共有した人たちであった。私は、死を考えたがすぐに思いとどまった。死は考えるべきものではない。他人の死を体験するものだと。他人の死を感じるものだと。最後は自分の死を体験しておしまいだと。私はリフォームした寝室に掛けているクリムトの素描絵に、弔意を示すガレ風のランプを当てて光の色を変えた。部屋は、たちまち茶褐色に染まった。クリムトが描くべートーベン・フリーズに登場し、九番、歓喜を謳う美女の肌色も茶褐色に変わった。