感動を与えるDMを書いた本はたくさん出ている。お客様の顔が見えるビジネス、例えば営業マンが固有の顧客を持ってビジネスをしている場合には有効なものはたくさんある。
これらをマスターすれば関係作りの強力なパワーになっていくだろう。
けれども顔が見えないビジネス、店舗にたくさんのお客様が来店し次々と購入していくビジネススタイルをとっている小売流通業などは、データベースを介してでしか、顧客像を知ることができないから、顔が見えないお客様に感動を与えるDMを書くとなると、非常に難しいものとなってしまう。
「一回だけ当たるDMを作成することはできるが、お客様の生涯にわたって当たるDMを作成することは不可能である」このことを「感動するDMの作り方」に置き換えれば感動し続けることが不可能であることを知ることができる。
お涙ちょうだいものといわれる、読み終わるとジーンと感動するような文章を書いてもお客様が感動をし続けることはない。いつかは「やらせがありあり」のDMと評価されてしまう。
実は、リレーションシップツールとしてのDMを定義していないからこのような現象が起きるのだ。
DMは、DMという言葉で一からげにされているが、概ね次のように分類される。
1.お客様との関係を深めるためのDM
2.商品を販売促進するためのDM
そして、DM発送時期は
3.場当たりに発送するDM
4.シナリオに基づいて発送するDM
BP(ビジネスプロセス)ごとには
5.BPを無視して発送するDM
6.BPごとに販売の局面を理解して発送するDM
当たるDM、感動するDMとは、どの局面を指して言っているのだろうか。
営業マンがお客様を落とす、私は感動分岐点を超えたと表現しているが、1:1の関係で、お客様を落とすことならたやすい。いかようにも表現方法がある。
けれども、顔が見えないお客様に対してどうすればよいかが分からないのである。
それを文章力で求めるのははなはだ困難である。
先に言ったように感動をさせるDMとは片側から見ればきわめて作為的であるからだ。
文章で感動をさせようとすると、しかもそれを継続させようとすると裏に隠してある作為が、表面に見えてくるからだ。
コメント