どの小売業でも、販売の現場ではDMを出す際には併せて成果を要求するようにしているのが一般的である。
したがって販売現場の担当者は、RFM分析やABC分析をして抽出をした上位顧客に対してのみDMを送ることが圧倒的に多い。それは分析をして上位顧客(優良顧客)にDMを出したとすればそれ以上のベストの方法は見当たらないからである。
顧客は買い続けないから、一定期間のデータを分析したのでは、顧客は常に入れ替わる。
ABC分析で上位20%の顧客のうち、年間40%の顧客数が入れ替わってしまうことは小売業で分析をしている人達の中では定説になっている。
当たらないDMをだすのは勇気がいる。ミスったDMを発送することが当たらないDMを出すことではなく、顧客と関係を深めるDMを出すことが、実は当たらないDM、ヒット率を求めないDMにつながっていくのだが企業はこれをやれないでいる。
理由は簡単、売上げを作れないDMを出すことは無駄との簡単な解釈による。
日本には人との関係を深める行為がたくさん残っている。お中元、お歳暮、お年始、彼岸の中日、お盆、…こうしたギフトに加え、バレンタイン、ハロウイン、XMASなど外国から入ってきたお祭りなどが定着して彩りを醸し出している。
これらは反対給付を求めない、つまりギフトをしたからといって売上げを求めていない行為なのだが、ことCRMに関しては反対給付を求めているので、考え方を変えないといけない。
当たらないDMこそ価値がある。顧客と関係を深めるDMを送付したところで売上げに結びつかないかもしれないが、きちんと定義した関係深化のDMであれば、顧客は必ず心に残り、むしろ売ろうとする姿勢が無いがために顧客の支持を得て、逆に永続した売上げを構築することだってある。
私はここを明確に分けている。
顧客に商品の学習を促す、顧客学習促進DMと商品を販売するためのDMを区分けしているから、顧客は安心して商品を購入するのである。
当たらないDMをだす勇気。そのためには企業の責任者が理解を示さなければいけないのだが、当たらないDMを出す方がよほど効果的に顧客を育成でき、売上げが上がるのだと言うことをマーケティング担当者は知るべきなのである。
コメント