vol.25で、一回だけ感動をさせることなら誰でも出来るが連続して感動させることは困難であると書いた。
vol.26では、商品販売をしないDMを出す風土が日本の企業には欠落していると書いた。
フランスの作家サン・テグジュペリが書いた「星の王子様、原題は小さな王子」には注目するべき個所が二ヶ所ある。
一つは王子と狐が出会う場面である。友達になりたいと言う王子に、狐は友達になるには時間が掛かると王子に告げる。もしも君が僕と友達になりたいのであれば、毎日同じ時間にこの場所に来てくれ。はじめは、僕は君のそばには行かないで遠くから君を見ている。
けれども毎日決まった時間に君が来てくれれば、だんだんと僕は君のそばに寄っていく。そうしてくれればいつかは、君は僕にとってなくてはならない存在になる。というくだりである。
狐がいう
①毎日
②決まった時間に
③会いにきてくれれば
④親しくなれる。
⑤このことが継続されれば
⑥なくてはならない親しい関係になる。
このことを私なりに解釈すると、「販売員がお客様情報の意味のある数字(年月日でもよい)を覚えていて、その情報をトリガーにしてお客様に親身な関係をとり続けることが、顧客感動が実現する唯一の方法である」となる。
例えれば自動車セールスマンが、今日でちょうど納車一年目です。納車させていただいたのが昨年の4月28日でしたので。何キロくらい走られましたか。となれば調子伺いは顧客にとってもうれしいものになる。
ところが意味がない日に突然電話をかけてもう何キロくらい走られましたかと聞いたら、何キロだったら何かあるのと質問されるのがおちだろう。
調子伺いのポイントはこの例では「本日でちょうど一年になります」ということにある。
納車年月日という意味ある日を販売員が覚えていて、連絡をくれたのが顧客はうれしい。
こうした事が続けば、顧客はこのセールスマンの行動に感動を持つことになる。
「彼はえらい奴だ。きっと自分の手帳にお客様の納車年月日を書いていて、節目にこうして電話をかけているのだろう。買うときにはこういうセールスマンから買わなければ駄目だ」私は、ここが顧客感動の重要なポイントだと思っている。
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