【2008.02.29配信】
SFAはワン・トゥ・ワン・マーケティングなのである。それがBPR(ビジネス・プロセス・リエンジニアリング)から入った。これが私はそもそもSFA導入の誤りであったと思う。
プロセス管理は、販売生産性を旗頭にして営業マンの行動管理、時間管理になった。日本の企業は、会社そのものが村社会になっていて、いわゆるおみこし経営、全員経営体制を敷いている。営業マンたちは、自分が労働者という意識は少なく、むしろ自分が会社を背負っているのだという意識に立つ。こういう精神構造をもって仕事をしている営業マンに一分単位で営業時間をSFAに記載させて、営業活動を管理することになれば、一番できる営業マンから反旗をひるがえすことになる。
だから、SFAはBPRで考えるべきではなかったのである。
なぜ、SFAはBPRになったのか。これはITベンダーの判断である。当時、私の知り合いの人たちが一斉に名刺を変えたことを憶えている。みなBPRコンサルタントと肩書きがついた。
SFAを納入する企業に対するコンサルタント業務を行なう人たちが急増し、みなBPRコンサルタントになったのには、SFAはBPRで解決する問題であるとITベンダーが踏んだからである。
先日、当時シーベルが全盛のときに、シーベルに在職していた人と話をした。
シーベルはドン・ペパーズのワン・トゥ・ワン・マーケティングを読んで、考え出したのがシーベルであると私は初めて、その話を聞いた。
私は非常に感慨深くこの話を聞いた。そうであったか。シーベルはワン・トゥ・ワン・マーケティングを目標にしてシーベルを作ったのかと懐かしい思いが込み上げてきた。
しかし、日本では、相変わらずBPRでSFAは語られている。BPRの要素は当然のことだが存在する。問題は、BPRではマーケティングは語れないのである。
SFAをBPRと言っているうちは、SFAで売上げを伸ばすことはできないのである。
営業マンの仕事とは、顧客企業の関係者と関係を深めることにある。情の関係と理の関係を深めることができれば、いつでも顧客に会えるし、キーマンとも会える。他の部署のキーマンを紹介いただけるし、展示会に来てもらうこともできる。
関係ができていなければ、受付けで断られる。だから営業マンは情の関係と、理の関係を深化させることなのである。
その状態が深化すれば、顧客の購入プロセスにおける現在位置を聞くことができる。するとビジネスプロセスは契約に向かって進んでいく。
SFAをワン・トゥ・ワン・マーケティングで捉えると、定期訪問をして新客から案件発掘をすることも、納入した後のフォローをすることもスコープに入ってくる。
SFAはワン・トゥ・ワン・マーケティングである。Mr.シーベルもドン・ペパーズの本を読んでSFAをスタートさせたということであれば、CRMもSFAも再度、原点に立ち戻る必要があると思うのである。
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