【2008.03.07】
我が社で事務所のレイアウト変更があった。まだ使用はできるのだが、もう使用していないPCや事務機器を整理することと、それを含めてレイアウトを変えることが目的であった。
会議テーブルを変える作業もあった。これを機会に廃棄する再リースの製品もあるのだが、その整理もあった。リース会社によっては、廃棄について責任を持つことや資源の有効活用もあって業者に処分させないで自社が行なうケースもある。
我が社には、創業時からお世話になっている事務機械の販売会社がある。事務機の廃棄については、この会社に頼むしかない。
そこでレイアウトの変更があるので、不要の事務機を引き取ってもらえないかと声を掛けた。
この会社は、二名の営業マンが比較的大きなトラックを持って早い時間に来社した。
以前、このビルに越してきた時の搬入の仕方を覚えていて、さまざまな工具を持参し、ドアを外して、あっという間に事務所のレイアウト変更と、それに伴うデスクや会議テーブルの移動、不要な事務機器の撤去、一台あった再リース品の保管手配を終わらしてしまった。
もちろん無料サービスである。
この作業は、我々のBREA理論から見ると、顧客ケアアクションに相当する。ステイタスは納入後フォロープロセスになる。アクションは無料なのだから、関係深化アクションである。
しかしビジネスに関係しないわけはない.当社から購入いただければこのようなサービスは無料で行ないますよとするメッセージでもある。したがって理のアクションも含まれる。
企業のマーケッターの中には、LTVは存在しない、あれは絵空事であると否定する人がいるが、それは誤った考えでLTVは実現できるのである。
この事務機を販売する企業は、顧客ケアを行なっている。我が社はおかげで助かったと喜んでいる。ケアの効果は十分、我が社に染み込んでいる。
次の購入機会には、我が社は必ずこの会社に声を掛けて商品を購入するだろう。
顧客ケアをしないでLTVを求めてもそれは無理な話だ。多くのマーケッターがLTVは絵空物語で実現するはずがないというのは、顧客ケアをしていない証拠でもある。
生涯価値は、生涯ケアをすることで実現できる価値である。長期価値は長期間ケアをしたことで得られる価値である。
中期価値は中期間ケアをしたことで得られる価値である。
つまりケアをした期間だけ,得られる価値の通称を,LTVと考えれば,LTVは実現するのである。
いま、実に多くの企業が,顧客が継続しないと嘆いている。小売業では、頻度1の顧客を頻度2の顧客にしたいという。頻度2の顧客を頻度3の顧客にしたいという。
なぜ,顧客は継続しないのか,頻度1の顧客がなぜこれほど多いのかと,データを分析して嘆く経営者は多い。
それは、はっきりとした答えが出ている。
一回しか買わない顧客戦略をとっているからだ。
ある経営幹部にこの話をしたら,彼は「いや、うちは一回しか買わない顧客戦略などとっていませんよ。そもそもうちは何もRFM分析でDMを出していますがそれ以外には顧客戦略など何もしていないのです」そこが問題である。
彼はこういうべきである。
うちは顧客に対して何もしないという顧客戦略をとっていると。
顧客戦略にもゼロの概念が存在していることを知らなければならないのである。
何もしていないということは,何もしないというアクションをしていることなのだ。もっときつく言えば,顧客戦略は何もしていないということは、実は顧客を無視し続けていることと同じである。
だから顧客は定着しない。
いまはインターネットを見ればどこで買えば一番安いかがわかるから,顧客はさっさと他の店に行ってしまうのである。小売業でも、自動車販売業でも,生保でも,損保でもまったく同じ理屈である。
コメント