【2008.06.06配信】
感動経営だと言っている人たちは、実業界を知らない教授とか、現場を知らない戦略系のコンサルタントなどである。
またそんなブームを受けてセミナーを開催する人たちも、現場のことはどうでもよく、「感動経営」で、人を呼べるからセミナーをやろうとする人たちである。
現場を知らない、現場で感動を業務に落としたことがない大学教授や、戦略を立ててお終いとする人たちは、これからは感動の時代だと言うことが仕事であってこれを立証することは必要がないので、言い放ちで済む。
しかし、それではこの理念を行動計画に置き換えようとすると、企業の人たちは大変苦労をする。実現することがほぼできないからである。
エンターテインメント業が「私達は顧客感動経営を目指します」というのは正しい。
顧客を感動させることを業務としているからである。
それ以外の企業が顧客感動経営を実現し、永続させることは不可能である。
その理由は頻度にある。
生涯で一回だけしか来店しない顧客を感動させることはたやすい。一回だけ感動をしていただくように仕組むことは誰でもできる。しかし感動経営の目的はLTV実現にあるはずである。なぜ感動経営なのかと問えばファンになっていただいて幾度も来店していただくため、当社と取引を永続いただくためとなるであろう。
LTVを実現するには高頻度を実現する施策が必要である。
すると、感動経営は顧客施策の観点からは、感動の持続を顧客に与えることによって、LTVを実現する手法であると定義される。
高頻度化の実現に、マジックのようなことはない。当たり続けるDMがないと同じように、感動し続ける施策はない。
それは営業改革の現場に立った瞬間にわかるはずなのである。
それでも感動経営の実現こそがLTV実現の唯一の方法であるという人たちは、改革者でもなく、彼等が唱える感動経営実現は、手法でもなく、理念でもない。目標でもなく、ただの脳内現象を口にしただけのものに等しい。つまり顧客感動経営実現で、顧客を感動し続けLTVを実現するのだというのは単なるアジテーションに過ぎないということである。
顧客感動を実現しようとするなら同時に顧客ケアを説くべきである。顧客ケアのゴールはLTV実現である。感動は顧客が感じるものであり、「企業がネ!ネ!感動したでしょう」というべきものではない。
顧客はいつも企業から見守られていると感じ、気を配っていただいていると感じ、静かな喜びに充足されることが顧客ケアの成果であり、結果として顧客はケアをされている間は、ケアをしている企業と取引をするという図式が実現できる。
もしもあなたの企業がこれからの時代何を目指してどう生きるかという理念を掲げるのなら、顧客ケアを実践するべきである。
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