【2009.07.17配信】
ブレアコンサルティングの服部です。
先号の三越日本橋店が行ったギフト売場の成功事例は反響がありました。
代表的なご意見をここで発表します。
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三越の事例を読んで感じたことは、
「お客様が誰か?」をちゃんと考えた対応をしていることです。
お中元のお客様は一見、ご来店頂いたお客様のようですが、本当のお客様は、お中元を受け取る方でしょう。
接客をした人は、それをしっかりと理解して、本当のお客様に価値を提案した、だから買って頂けたのではないでしょうか?
もちろん商品をご購入頂いたお客様にも、良いものを贈る喜びという価値を提供しています。
お客様の求めている価値をちゃんと考えること、それを実現する為に労を惜しまないこと。
こういう姿勢がエクセレント・カンパニーなのだと思います。
カスタマープリンシプル協議会(CPA)では、こういうことを広めてゆきたいものです。
よろしくお願いします。
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メールをいただいたご本人が夏期休暇で連絡がとれず実名を記すことは出来ませんでしたが、適切な評論であると思います。
この評論で着目することがいくつかあります。一つは誰がお客様なのかという点です。私たちのコンサルティングでは必ず誰が顧客なのかを確認しますが、大企業になるととても曖昧になって、誰が顧客であるかが分からないケースがあります。
本当のお客様(ギフトを贈られる人)は誰かを聞いて、しかもその人の好み、送る人との関係をASKして適切な商品を選択し、しかもその商品を試飲・試食して確認できるところまでプロセスに組み入れてある。プロセスの作り方が見事というものです。
二つはお客の価値を考え、その発見と実現に労を惜しまないこと、そしてこういう姿勢がエクセレントカンパニーであると指摘をしているところです。
私はこの成果として三越日本橋店のギフト売場が大幅アップをしたことを取り上げたいと思います。
いままでと舞台は何一つ変わりません。変わったことは試飲・試食できる品を増やしたことと、高い価格の商品にしたことです。三越のギフト売場責任者は、これだけでなく真の顧客の価値発見をプロセスに組み入れたのです。
だから試飲・試食が生きてきた。すると美味しい食品を真の顧客の好みに合わせてお贈りすることが出来たとする歓びが贈り手に残ります。
自分も確認しているのですから。そこで自宅用にもう一つ顧客は注文をしてお持ち帰りをするのです。
結果として大幅に前年対比が伸びたのは百貨店にとって自信につながります。
この仕組みを展開すれば売れるかもしれないと思うでしょう。エクセレントカンパニーの姿勢だと指摘した評論は的確です。
逆にこんな不況時に高い商品は売れないと、安いギフト商品を置くように商品の品揃えを転換した百貨店もあります。
しかし、いただいた人は、安いものを贈られたと思うでしょう。
いまは不況だから価格破壊的な安値を繰り広げている業種が増えてきていますが、顧客はただ安いことだけを望んでいるわけではありません。顧客の価値を発見し、顧客の価値を実現することで
販売する企業の価値をも実現する。顧客の価値を発見するには顧客との関係を深めることが必要。関係には情の関係と理の関係がある。これらを業務の枠組みとして営業の型を作る。ただこれだけで、顧客は心を開き、売ろうとしなくても顧客の方から進んで企業の業務プロセスを推し進めて
くれるのです。
企業の業務プロセスは顧客がこの商品を購入しようと決めたら、顧客にとっての価値実現プロセスなのですから。
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