寸時を割いて新幹線に飛び乗った。大宮から40分で軽井沢に到着した。大宮で乗車したら次は軽井沢である。気温を調べずに行ったが駅で12度もあった。陽光はさんさんと輝いていた。これではまるで4月だ。知友はすでに外気温は14度になっていると語った。駅構内は覆われていて光が差さないので外が暖かいときは外気温と比べて2度ほど低く、外が寒いときは2度ほど高く表示されるらしいと説明をした。知友は相変わらずコートは着ていない。
助手席から見る浅間は荒々しいが、もう春の香りがする。知友と打ち合わせをしたいのだが、ここと決めたお店は皆休業であった。それなら草間さんは開いていると迷わず離山通りからシェ・草間に向かった。開いていた。佐久豚を焼いたメイン料理と前菜、デザート、コーヒーを食べた。ランチの定番である。草間さんはいつ食べてもおいしい。それだけは確かだ。
それからいつもの大紅葉に会いに行った。雪が深いと言っても数センチだが革靴ではちょっとはばかる。私は写真を撮ってから早々に引き上げた。わずか2時間後にこの前を通ったが雪はきれいに消えていた。
「寒さを体験しに来たのに」と私は笑いながら知友に言った。今日は当てが外れましたねと知友も笑った。
それから午後3時の新幹線に乗るまでの時間を費やした。旧中仙道の碓氷峠や、旧軽井沢やタリアセンの近くを走った。塩沢湖のタリアセンは2月一杯は閉園であった。
軽井沢は1年を10ヶ月で計算しているから価格が高いのですと知友はポツリと語った。建築は9ヶ月です。夏場の大きな工事はできませんから。今日は暖かですが今年の軽井沢は寒くて厳しいです。知友はそうも語った。
帰りの新幹線を待っている間ホームにいた。まったく寒くなかった。壁越しに西武スキー場が良く見えた。春スキーの風情であった。