今年は二つの免許証更新だ。いや、一つはもう終わった。
今年の1月で70歳になったため、69歳で高齢者なんとかという講習を受けに自動車教習所に行った。目の検査をいろいろな角度でやったが、何かに反映するものではなかった。次に古めかしい画像を前にハンドルを握って人が出てきたらブレーキを踏むとか、一定のルールのもとに、シュミレーションをやった。いったいこれってなあに!と半分あほくさくなりながら、しかし最後までやらないと運転免許を更新できないので、従った。
最後は、教習所をぐるぐる回ってS字とか、車庫入れとか、歩道乗り上げとか、踏切前一時停止とか、オイオイ!やめてよと言いたくなったが、更新のためなので我慢をした。これで晴れて高齢者講習修了書を貰えた。
2月の中旬になってから指定の警察署で目の検査をして,一発で合格した。「高齢者講習をやっているので今日は免許証を受けとってそのままお帰り下さい」と言われ、あっけなくまた5年間有効の免許証を手に入れた。
何で69歳で高齢者何とか講習を受けなければいけないのかと、めぐりあわせを不満に思ったが、逆であった。次は74歳で更新だ。もし75歳で更新となるともっと厳しいチェックが入るそうだ。
今度は二級小型船舶操縦士の更新が近づいている。はじめは終身免許証であったものがいつの間にか自動車と同じように5年更新になった。
二級免許は、20トン未満の船舶で、平水域および海岸から5海里以内を航海できる。5海里とは約9キロなので、海岸から9キロ以内の海を走っていれば日本一周だって実現できる資格だ。。
とはいえ、海は怖い。天候が直撃するので本当に怖い。強風が吹いたら東京湾でも船は木の葉状態になる。こうなったら命がけで、クルマの差ではない。
だから以前は勝鬨橋の近くから乗って出て行ったが、ある時ものすごい突風が急に吹いて船はもみくちゃになった。これを乗り越えないと一人前になれないことは知っていたが、嵐のような強い風、逆立つうねりから逃れることができないと初めて知った。クルマなら安全な場所に停車して風雨をしのげばよい。しかし、船は逃げる場所がない。
この差は大きい。エンジンを回しても船は進んでいない。燃料計はみるみる下がっていくし、これで燃料が切れたらレスキューを呼ばなければならないと思った。
以来、勝鬨から川に上ったり、神田川を御茶ノ水駅辺りまで上って戻るような安全第一のコースで遊んだ。平水域は海上と比べると安全だ。
それでもモータボートの免許証が仕事に役立ったのだから不思議だ。ヨットやモータボートをつくる有名メーカーがCRMをやることになり、私はこの会社のコンサルティングを行った。免許を取るまで、とった後の知識が必要な仕事だったので、まったくスムーズに仕事はでき非常に喜ばれた。皆が海の男だったので気持ち良い仕事ができた。もうモーターボートは乗らないなと思うけれど、100%乗る機会がないとは言えず、どうするかもう少しまじかになってから決めればよい。
更新制度は、安全のためと理由が付くが、規制の一つだ。更新がない国もあるし、そもそも運転免許証がない国もある。日本人は規制されることに慣れているから誰も不思議がらない。
NYには、ロシア人のタクシードライバーが多い。私は、ロシア人のタクシードライバーに、ロシアとアメリカと比べてどうだ。どっちが好きかと訊いたら、アメリカは自由なので何をやっていいかわからない。ロシアはすべて国が命じるからその通りやっていればいいので楽だと答えを返した。
なるほどと思いながら、日本も似たようなものだなと思った。日本人はすぐに規制してくれと求める。
日本人は自己責任という考えをもっと持たなければいけない。すべては自己責任でやっているのだと。
明日から週末。一日は休み、一日は仕事。