今年の軽井沢は、まもなく4月になろうとしているのに、今日も午前中は雪が降った。気温が上がって雨になり、根雪も何もかも解けるが、また翌日は雪が降る。人々は雪が降る春に振り回されている。私もクルマを磨いて次の日曜日は行くぞと待ち構えているが、週間予報を見るとドライブには不都合な天気のようだ。
軽井沢へ行くなら思い切って小諸まで行って、小諸インターを左折して浅間サンラインへでて、追分に出るコースなら平坦な道で安心だが、碓氷軽井沢インターから軽井沢町へ入る山岳コースは、いくら舗装がされているとしても、道路が凍れば高速急直下滑走道路と化す。
デリケートなガードレールを覗けば、真下には谷底が待ち構えている。夏タイヤですべりでもしたら、もうあとはどこやらにまっしぐら。まっさかさまに落下するに決まっている。
とはいえ、小諸に出るには30kmくらい余計に走らなければならず、往復60kmが上積みされるのは、余計といえば余計なので、そして軽井沢から小諸までの高速道路はトンネルの連続なので、つい億劫になってしまうのだ。
真冬に深々と降る雪はそれなりに風情があるが、春と冬を繰り返している今年の軽井沢は例年と天候が違うのではないかと思っている。気がつけば東京では桜が咲きはじめた。肌寒い感触ではあっても季節は動いているのだ。
知友も雪の降らない春を待ち望んでいる一人である。ツンドラ状態のゴルフ場で打つゴルフボールは、カンカンと音を立てて遠くへ飛び去ってしまうのだそうだ。
この週末、私は軽井沢へ行かず、変わりに軽井沢の香りを運んで知人が上京する。いつになったら軽井沢へ行けるのかなどと、こどものようなことは考えていない、もうすぐ、多分次の週末には軽井沢へ行けるだろう。行ったところで若葉は萌えず、冬の様相を呈しているだけだ。若葉が燃え出すのはGWが終わったあとだ。だが、こうして私はじりじりとした心持で雪が降る春が終わることを願い続けている。