服部さん
こんにちは。
お元気ですか?
ブログを拝見していても忙しさが伝わってきます。
御身体大切になさってください!
ところで私の旅ですが、
オークニー諸島から一度インヴァネスへもどり車を借りてハイランドをまわりました。こちらの人々はめちゃくちゃ飛ばしますね。日本の感覚で走っているとどんどん追い越されます。ハイランド地方に限らずですがこちらは木が少なく丘の起伏がハッキリとわかり日が当たったときなどそれはそれはキレイです。
密造酒をつくっているかのようなLoch Ewe(ロッホ・ユー)蒸留所。説明してくれたオーナーが非常に情熱的でした。
なだらかな丘が続くハイランドの風景
ピトロッホリーという町で行われていた草レース。81マイルを走り抜けます。4500台が参加。こちらはサイクリングがさかんでどの町を訪れてもヘルメットを被り颯爽と走る人々を見かけます。
エルギンのメインストリート ウイスキーの瓶詰め業者ゴードンマクファイルの本拠地です。
ダルヴィニー蒸留所の巨大ワーム・タブ。巨大な桶には水が満たされその中をコイル状の管が通ります。 蒸留されたウイスキーがこの管を通り冷やされるという非常に原始的な設備です。
加治隊長へ
お元気で探検を続けていますね。どの蒸留所も働く人が自信と誇りを持ってウイスキーを作っていることがわかります。それにイギリスは都市の間にグリーンベルトを作って、秩序ある計画をたてて自然との調和を保っていますね。イギリスは美しい国です。日本でも江戸時代には秩序があって、外国人は日本の美しさに感嘆したらしいのですがいまは経済成長の名の下に無秩序な発展が、こうした秩序を破壊してしまっています。
軽井沢でも開発が大問題になっています。山野を買い取ってすべての樹を伐採し、整地して細切れにして別荘地として売りに出しているのです。市街地の感覚です。軽井沢の自然保護、あるいは軽井沢の景観を守るNPO団体などが不動産業に伐採することはやめて欲しいと会談を申し込みましたが、驚くべきことが分かりました。地元の不動産業はそんなバカなことはしないのです。東京の不動産会社が樹を伐採して土地を分譲して建築してから後で植樹をするというのです。結果は同じではないかという主張らしいのですが、森を丸裸にすることで生態系は崩れ、鳥は寄らず、夏は暑くなり、景観は壊れます。しかし東京の不動産業には「事」の重大さが分からないらしいです。樹があったら土地が売れないというのが主張の根幹にあるといっておりました。イギリスのグリーンベルト地帯の美しさを知っていますからつい軽井沢での話を思い出してしまいました。
結局はこの国の民族にあわせたビジネスをやっているのです。
民族の美意識、民族の知性、民族が何を自分達のアイデンティティにして生きていくのかまで遡ります。
加治隊長のレポートには、誇りを持って生きている人々の営みが手に取るようにして伝わってきます。初めの写真、マジカルな蒸留設備もいいですし、冷却水に通して気体を液体に換える原始的な設備もいいですね。
寒い国で健康を維持するために自転車が盛んなこともよく分かります。
もちろん、その国に入ればいろいろな課題を抱えていることは百も承知していますが、背丈に応じた人々の営みが、石造りの国で行われていることに小さな感動を覚えます。
お元気で、旅を続けてください。