大紅葉の移植に立ち会った。この巨木はうろができていて扱いを間違えると樹が二つに裂ける。現地に到着すると2台の機械が入って、すでに土地の掘削が始まっていた。
掘削が終わると木の根を切ってこのように包み、長い時間をかけて固めていった。固めないと移動中に根の部分がばらばらになってしまうのだ。
一台がクレーンで引っ張り、残りの一台が後部に回って穴を埋める。それでも倒れてしまうという。土はさらさらであった。火山灰の影響か。もぐらや地ムグリが出てくると思ったが居なかった。
それでも気を許した瞬間に巨木は倒れてしまった。(写真クリックしてください)人は機械から降りて立ち上げる手法を考える。
倒れた樹を起こしている風景。根の部分が緩かったら樹はばらばらになってしまうであろう。根をあれほどまでに固め続けている意味がようやくここで理解できた。
ここでようやく大紅葉を移動できる体制が整った。少し動かしては機械からはなれ養生をする姿には恐れ入った。
樹を曳いているところ。樹が一回転するほど揺れ動く。うろが無ければ大型クレーンで持ち上げてしまうがうろがあってできないので小型機を導入しているのだそうだ。
痕跡を残して大紅葉は動いている。大変な抵抗が掛かるであろう。梢高く、樹は揺れ続けている。巨艦が航海しているような錯覚をした。
移る場所まで約20メートルの旅であった。同じ敷地なので樹を触っていないが別の場所に移動するときは梢を切ってしまうと言った。
これで大紅葉の移動は終わった。手に汗握る大移動であった。