「ブログが更新していないようですが、おからだを悪くしたのでは」と電話をいただくほどに心を亡くしていた。心を亡くすと一文字で書けば「忙」となる。この調子だと来年一杯は忙しいだろうと思う。覚悟をしていたことだ。息をしているかどうかさえも忘れて仕事をしている。空腹にならないから食事量も減った。いい傾向だ。脳を使うこともよい。
そんな矢先、奄美民謡の唄者、朝崎郁恵さんのライブがあると朝崎さんからのメールマガジンがきた。夜7時半開演で代官山でのライブだ。仕事を手伝ってもらっている石川さんとこのライブに飛び込むようにして出かけた。
朝崎さんはかけろま島の出身で、本年75歳になるそうだが、歳とは何のこと?とばかり現代音楽とコラボを汲んで精力的に島唄を唄っている。
ここでいう現代音楽とは西洋音階を伴奏にという意味である。奄美民謡はいまでも口伝である。楽譜はない。朝崎さんの歌唱方法は無段階でピアノでは出せない音階を唄う。だから三味線を使わず西洋音階で唄うことは不思議な感じである。
自分で種を撒いて忙しくしている間に季節は一齣動いた。翌朝、庭に出てみると柿が大きくなっていた。もう秋の気配が漂っている。まだ猛暑が続くと暑がっていて身近にいる秋の気配を感じられないことは、なんと哀れなことか。一日の苦労は一日で足れり。とはいえ明日も朝から仕事だ。週末だというのに。