毎晩12時まで執筆の日々が続き、からだが悲鳴を上げている。これ以上続けるとからだを壊すよとメッセージを投げている。日中は出来ないから18時から24時まで6時間が執筆時間だ。夜は静かで集中し、執筆がはかどる。そこでつい長引いて時計を見ると24時を過ぎている。
21時が翌日に引きずらないジャストタイミングの時間なのだが、なかなかそこでは終わらない。この集中力はきっとホルモンが出ているからだと思う。まったく疲れを知らなくなり、頭は冴えてどんどんと進む。ところが翌朝は疲れきった状態で目が覚める。疲れがまったく取れていない上にホルモンが効いていて3時近くまで頭が冴えている。それから眠りについて7時には目が覚めるから、頭はふらふら、脳は空っぽ、からだはぎしぎしとなる。しかし執筆をはじめて21時くらいになるとまた頭が冴えてくる。この連続で、最後はからだが悲鳴をあげることになる。
私は売れっ子作家が銀座に繰り出す訳がよく分かる。オンとオフをバランスよく保たないとオンがオンでなくなるのだ。
執筆のほうは集中したおかげで60%くらい進んだのだが、昨日はじめて読み直すとぜんぜんだめで、全体ストーリーを書き換えている。絵で言えば60%描いたがまたキャンバスを取り替えてやり直しているという状況だ。そのやり直しで次第に完成形に近づく。
本を次々に出す人がいる。多くの場合はゴーストライターがいてしゃべったことを録音し、それを元にライターが書くのだ。私の知っている何人かの人はそうして次々と本を出している。それは楽そうだが、本人はそうでもないと思う。私はその現場を見ているがライターにそうではなくこうなんだと電話で叫んでいるのを見ると自分で書けばいいのにと思ってしまう。自分しか想いがないことを想いのない他人を介して自分の想いを表現してもらうことは大変なことなのである。
けれども集中して書かないと本は出せない。今回の本は執筆時間を正味12日間と決めている。正味とは1日8時間換算のことだ。全部で96時間だ。おまけをつけて100時間だ。1月10日には原稿を完成し出版社に入稿する約束をしている。編集者もそんなに早く出来るんですかとびっくりしているが、私には仕事が詰まっているのでだらだらとはやることが出来ないのだ。だから集中できる間に書いてしまおうと考えていることが、からだがきしむ本質なのだ。
私は今日調べて地球は23時間56分で自転をしていることを知った。だから地球は1公転に366日掛かっていることを知った。1年は365日だが1公転は366日とはおもしろいと知った。
私はいまの執筆をしていて多くの気付きがあり、非常に勉強になり、自分はこの執筆を通じて確実に成長していると感じている。だからのめり込み、書くのが楽しみで、おもしろくて、ワクワクして、そこで集中しすぎて、気が付くと24時を回っているという日々なのだ。