昨年末からいままで、一つのことに集中してきた。怠け者で好きなことしかやらない私にとって異例中の異例ともいうべき集中力が持続した。それは時代の転換期にあって、まったく新しい営業の形をつくり上げることであった。
日本の訪問営業活動は、50年前と同じレベルで、38年前に終わった高度経済成長時代そのままのやり方を継いでいる。
インターネットが普及し、情報システムも著しく発展したが、人間がやっていることは相変わらず訪問をして日報をつけているだけであり、あとは個人に丸投げをしている状況で、このままでは日本の営業は、したがって企業はどうにもならない椅子獲りゲームを展開せざるを得なくなり疲弊をしてしまうことはわかりきっている。椅子獲りゲームとは需要より供給が多い状態下で繰り広げられる顧客収奪の戦いを表している。
私はすでにこの事態を予感し何冊かの本を書いて警鐘を鳴らし、次の進むべき方向を提示していたがぬるま湯につかっている人たちには遠くの津波を見ているようで、自分のことに置き換えることができなかった。したがって私が提唱する理論は、トレンドにはならなかった。その惰眠を目覚めさせたのが今回の大震災である。
何事も良いときには改善できない。悪くならないと改善できない。
私は、これまで持っていたBREA理論にいろいろなものを加えて再理論化をした。この作業が今回8ヶ月間にわたって行なってきた、私のトライアルである。
この理論は「時」を待たなければ完成しなかった。時とはiPadの出現である。そして私はRPG(ロールプレイングゲーム)理論を学んでそこから客観誘導理論と、営業活動のすべてを状態管理する理論を考案した。営業活動が今どこにいるか、何が終わり、何が終わっていないかを常に管理する状態管理理論は、プロセスとアクション、アクションタイプ、iPadコンテンツ、そしてセールススクリプトを紐付けることに成功した。そこにXMLタグによる文書管理手法を加え、さらにソーシャルネットワークで社員ネットワークをつくった。
この考えを賛同するシステム会社二社が、いまクラウド、クラサバ方式で、システムを制作している。クラウドは世界最大のセールスフォース・ドットコム社のシステム上で制作している。
このシステムは9月8日に完成する。
コンサルティングマニュアル、iPadコンテンツを制作する打ち合わせも進んでいる。
これらは私の集大成で新たな始まりだ。日本の営業活動そのものの新たな始まりをも意味する。
そして今日は同じテーマで書いた9月8日に出版する本の第二校正を行なう日だ。
知人に占い好きな人がいて、その人の周りには企業経営者が集まっている。その人はどうしても私を見たいと言って私の星を占ってくれた。その人が言うには、人体に七つの星があって、そのうちの三つが騎車星だといった。この星の人は平穏時には、まったくのほほんとしているが、変革期には力を発揮すると言った。
私は占いなどまったく信じないのだが、なぜここまで集中して実現できたのかと振り返ると、この占い人が言うように騎車星が三つもあること以外に思い当たらない。
いずれにしても75%完成。残りは25%。富士登山で言えば胸突き八丁にあたる。面白い時代に新しい創造が出来るのは楽しい。