数年間、形而上世界でさまよっていた。
自分の仕事に関してだが、不思議なことに自分が経験をしたことと、持って生まれたDNAが反応した事柄だけ、興味を示した。何のことはない。経験とDNAの二つで人間のパターンがつくられていると思い知った。仕事に関さないことでも同じことだ。
人間は経験と生い立ちによって成り立っているとする言葉もつくった。
形而上世界では、概念を整理したに過ぎない。また私が思考したことはすでに数百年前の人間が整理をしてしまったことだ。
それなら哲学書を読むだけで解決するのだが、何を迷っているのかわからない私にはその特効薬を見つけることはできない。問題を持たないものが書を読んでも解決策は出ない。課題をわからないものが課題を読んでも解決はできない。自分で考えだしたところに価値があると思うしかない。
正月が過ぎたころ、デジタルマーケティングの単行本を出そうと思い立ち、執筆に入った。
書きながら整理できなかったことが解決し、整理がついていたことがまだ深い層に未整理の概念が存在していると、気が付いたりしていた。
こんな経験を通じて形而上世界が存在していることを知った。
この世界は、私にとっても素晴らしい世界だがここに入り込むと真理や、万物に共通点を見つけることに終始するので、形而下世界の事象が些細なことと思うようになる。
形而上と形而下を自由に行き来できればよいのだが精神生活はそこがなかなかむずかしいところだ。けれども、何ものにも代えがたい良い経験をした。
原稿は現在61,167字まで進んでいる。
図表が多いので、目標は8万字。これだけあれば単行本一冊出来る。
今週中に終えて週末は手直し校正をやる。それまでに出版社を決めておくという算段だ。出版不況を通り越しているので審査が厳しい。審査に通る前に編集者個人の合意がなければいけない。売れる本を出版しなければいけない。編集者は大変だ。売れるかどうかはやってみなければわからない。
入稿したら形而上世界から脱出だ。