今年も、柿がびっしりとなった。オフイスの庭にあるハナミズキは葉が枯れ落ちて、強風が吹けば枯れ木になってしまいそうだが、我が家の庭にある柿の木は、11月に入ってもまだ青々としている。
今年は、すべての柿を鳥に上げようと決めている。そのせいか、例年になく、たくさんの野鳥が集まって柿の実をついばんでいる。
野鳥は、危機に敏感で、用心がよい。だから庭に出たとたんに一斉に羽ばたいてどこかに飛んで行ってしまう。野鳥は冬の間にかなりの命を落とすそうだ。特に寒冷地に暮らす鳥たちは厳しい自然環境に置かれる。数日前、軽井沢の友人から、昨夜はマイナス2度に気温が下がったと電話が入った。軽井沢の冬は雪は少ないが氷の世界になる。
我が家には二本の梅がある。2月になって花が咲くと野鳥のメジロが飛んできて梅花をついばむのであるが、その体のやせていることよ。メジロが来たときは私も体を動かさずに遠くから見守って、食事を邪魔しないようにしている。それでないとすぐにどこかへ飛んで行ってしまうから。とにかく用心がよいのだ。
こう書くといつも庭に出ているように思えるが、庭に出ることは1年に3回くらいだ。あとは人頼み・お任せでいるのである。
今まで、めげずに前進あるのみで生きてきたが、最近はふと立ち止まって過去を振り向くことがある。何よりも私はたくさんの出会いと別れがあり、いまだに多くの友人知人を持っていることがうれしい。そして多彩な好奇心と関心を失っていないことがうれしい。
まだ、この先に私を必要な人が待っているだろう。野鳥のごとく生きよう。