福岡で仕事をしてから、その足で鹿児島に行って仕事をする用事ができた。普通なら福岡⇔鹿児島間は飛行機にするのだろうが、時間の余裕があったので、あえて列車の旅を選んだ。九州新幹線には一度も乗ったことがないので、その楽しみもあった。
九州は観光の島でもあるから、JR九州の列車は特急を乗る限りどれも豪華である。
九州新幹線は全線開通予定の2011年には、博多⇔鹿児島間を、最速1時間20分で結び、相互乗り入れが決まった新大阪から鹿児島まで最速3時間55分でつながる。距離は縮まらないが速度が速まると、時間が短縮される。
写真は、九州新幹線普通席、しかも自由席である。
博多から新幹線接続のつばめ号に乗って、新八代駅で新幹線に乗り換える。新八代から鹿児島中央間では最速34分である。
もう旅の感傷はまったくない。最高速度260キロメートル/Hで、飛ぶように走る。多くはトンネル走行だ。在来線で八代(やっちろと地元では呼ぶ)といえば、八代亜紀の舟歌が自然と出てくるが、新八代は東海道新幹線の小さな駅と一緒だ。川内(せんだい)も、さつまあげもでてこない。甑島(こしきじま)も、旅情もなにもあったものではない。九州の西側を弾丸のように走り抜ける。新幹線が停まって、私は一体どこに着いたのかと思った。
かつての木造の柱に屋根が乗っていた鹿児島中央駅は、豪華な駅ビル付きの新幹線駅に変身した。私は桜島を見てようやく、間違いなく鹿児島へ着いたのだと実感をした。片方で、こうやって時代は変わっていくとも思った。
時間さえあれば、九州の旅は、新幹線を新下関駅で降りて、下関駅から各駅停車に乗るとよい。関門トンネルをくぐって門司駅に着いて、まずは博多まで行く。あとは気ままに。でも普通列車の旅を続ける。九州の旅は、実は下関からはじまるのである。関門トンネルをくぐって車内が明るくなると、九州に上陸したと全身で感じる。
いい!このコースは。