私は仕事で農業の業界にも関与したことがあるので、実情を知っている。日本は十分に開国をしているはずだが、畜産農業保護の観点からこの分野には高い関税が掛けられている。これはこれで問題が多いのだが日本の政治家は自分の選挙に勝つことが第一だから手厚い保護をして畜産農業者を保護している。それが日本の形をつくっている。
TPPに参加すれば国民は安い農業製品や牛肉を口にすることができる。また自動車など輸出業は関税なしで自社の製品を輸出できるから産業界はTPPの加入が必要だという。
すべてのことには光と影がある。光が当たれば影ができる。表を作れば裏ができる。TPPを開国と言って、TPPを反対する大臣の首を換えた。
スイスで開かれている「ダボス会議」に出席した菅総理大臣は、日本時間の29日夜、世界各国の政財界のリーダーらを前に特別講演を行い、「日本は、精神面と経済面での閉塞(へいそく)を大きく開いていく『開国』が必要だ」と述べ、各国との経済連携を積極的に推進していく決意を表明しました。そのうえで、▽TPP=環太平洋パートナーシップ協定の交渉参加について、ことし6月をめどに結論を出すことや、▽日本とEU=ヨーロッパ連合の間で、ことし、EPA=経済連携協定の締結に向けた交渉を開始したいと述べました。1月30日NHKニュースから抜粋
日本の山が荒れて国民が花粉症で悩まされているのは林業が悪いのではなく彼らが林業で食べていくことができなくなったからだ。安い輸入材に押されて国産木材が売れなくなったからだ。ネットを開くと彼らが林業の原価計算を公表して悲痛な叫びを上げていることが分かる。農業も実はほぼ同様な状態である。
食物の自給率を上げないと万一の時、国民は生きていけなくなると言っていたが、TPP参加で自給率は急カーブを描いて落ちていくだろう。
ダボス会議で世界各国の政界財界人を集めた特別講演は、すなわち日本がアメリカの属国になることを宣言したようなものだ。白人は事業チャンス到来と計画を練っていると思う。
要は中国に脅かされて怖さのあまりに中国人船長を無罪放免し、尖閣列島での事件動画を国家秘密と言った。そしてアメリカに付いていくしかないと決めたことを宣言したのが開国の正体である。この開国は地方経済を見捨てる意味が含まれている。
ダボスの特別講演でのメッセージは日本畜産農業分野の関税を無税にして提供するからここからどうぞ自由に稼いでくださいという意味だ。
日本の形は壊れる。これで消費税が上がると国民は生活防衛のために今以上にモノを買わなくなり経済は疲弊する。企業は海外に出て国内は空洞化してくる。仕事はなくなる。
はっきりしたことがある。日本国民は政府を当てにしないで自分の命は自分で守ることだ。自給自足で生きていけるくらいに国民は強くならないといけないということだ。今からでも遅くはない。農業を学ぶことだ。里山に入って里山で生きる生き方を学ぶべきだ。国破れても山河は残る。日本の形が壊れ、山河は残る。