この日、軽井沢は雲一つない快晴であった。まさに春の旬であった。軽井沢インターから北軽井沢へまっしぐらに146号線を北上した。この浅間山は、見晴らし台の交差点少し手前から撮影している。気温は12℃。風も穏やかでぽかぽかとした春の旬であった。
北軽井沢は軽井沢の北にあるのでその名がついているが、実際には長野県軽井沢町ではなく群馬県吾妻郡嬬恋村にある。北軽井沢は湿気が少なく、夏は実に凌ぎやすい。夏は軽井沢から避暑にくる人もいるようでいかに凌ぎやすいか、分かる。
霧の発生状況は軽井沢が年間平均134日、北軽井沢では45日前後。ちなみに霧の名所として知られている釧路でも115日くらいというからいかに軽井沢と比べて北軽井沢がさわやかなのか、違いが分かる。
軽井沢の年間平均気温はざっくりと8.5℃くらい。北軽井沢は1度くらい低く7.5℃くらい。札幌が8.3℃というから軽井沢は札幌とほぼ同等、北軽井沢は札幌よりも低いことになる。ちなみに東京の平均気温は17℃だという。
そんなわけで、今日の北軽井沢はからりとした春の北海道にいるような気分であった。
北斜面はまだ多くの雪が残っている。この地で標高1400~1500メートル台。浅間山は2568mなので、すでに相当高い所から浅間山を眺めていることになる。
写真で撮ると浅間山は美しい山だが、いまでも噴煙を上げて、時折に噴火をする浅間山を私は畏れていた。浅間サンラインを走ると佐久の盆地が見えるので軽井沢も浅間山麓にある町であることがよくわかる。東西15km、南北35Kmのすそ野を持つ浅間山はいつかまた天明大噴火のような噴火を起こすのではないかと私は畏れているのである。
天明3年に起きた大噴火で発生した火砕流・泥流は、時速120Kmの速度で山麓を下り、村々を呑み込んだという。
北軽井沢では天明大噴火の大被災地になった鎌原地区に住む知人と会って、いろいろな話をした。
それからまた146号を戻った。浅間山は右手に姿を変えた。一枚目の写真はこの位置からズームを使って景色を切り取ったものである。こちらは浅間山の東北東斜面になる。
待ち合わせをしている然林庵は離山のふもとにある。時間があったのでクルマを然林庵の駐車場に止めて近隣を散策した。この周辺は「泉の里」別荘地になる。浅間石を配して区分けした道路は、軽井沢特有の景色である。
然林庵が輝くのは、こうした背景を抱えているからだと思う。
昼食は、16時過ぎに「きこり」で食べた。18号と浅間サンラインの交点にあるこの蕎麦屋は旨い。わざわざ追分の先まで足を伸ばしても訪問する価値がある。
このドライブは往復408Kmになった。12時間の旅である。都会から離れて自然に触れ合うことで人間は都会とリセットをし、本来の自分に戻ることができる。