和久井さんがつくった家のデッキ。日常の生活がすぐにイメージできる。建築士に頼むとこうはいかない。彼らは自分の作品を残そうと、超高級ホテルのスイートルームのような内装や、イタリアの高級家具が並ぶ別荘をつくる。自然に溶け込む別荘と四面全面ガラス張りの別荘を設計する。
地元の建築会社は、こんな家をつくってどうするんだろうと腹では笑いながらも、図面にしたがって家を建てる。
たまに来るならそれでもよい。しかし暮らすとなれば・・・大理石のバスに入り、スイートルームのソファーに座って、音楽を聴いて一日を暮らすわけではない。庭に生える草を除き、ごみを集め捨てるという現場の日常がある。
私の中には、その違和感が次第に生まれてきた。
和久井ガーデンには野菜畑があってズッキーニの実が育ち始めていた。
この花の名前は一度覚えたのだけど忘れた。和久井さんはここが北限といったような言わないような。