久しぶりに自宅の庭に出た。家で育てているシソの葉にたくさんの花が咲いた。小さな小さな白い花である。そこに無数のヤマトシジミが集まって夢中に蜜を吸っていた。よく見るとベニシジミの姿があった、久々に出会えたのがうれしくなって、しばし眺めていた。
ベニシジミは普通種ではあるのだが、都会の厳しい環境の中でよく命を繋いでいたと思った。何処で生まれてどこで育ったのか。何処からここへやってきたのか。
シソの花はプランタンの中で咲いている。ベニシジミは夢中で蜜を吸っている。
よく見ると小さなバッタもいた。彼らにとってシソの葉プランタン畑は命を繋ぐ重要な場所になっている。このシソの葉に我が家の食卓はとてもお世話になっている。絹ごし豆腐に、鰹節と千切りにしたシソの葉をたっぷりかけて減塩醤油で食べるのが食卓の恒例なのだ。
植物と昆虫は助け合って生きている。花は虫を呼ぶために咲く。植物は自分では動けないから昆虫の力を借りる。昆虫を介して受粉ができタネができる。そのタネが地に落ちて来年も葉が出てくる。人間も同じだ。行き詰まりの先は共生社会をつくるしかない。
今日はベニシジミとヤマトシジミと小さなバッタがシソの花に集まっているのを見るだけでとても気持ちがよかった。
昨日は、家にある包丁をすべて本格的に研いで切れるようになった。出刃包丁でネーブルをテスト切りしたが、スパッと切れた。この夜も良いことをしたような気持になった。
一昨日はいつもお世話になっている、ウイキペディアにささやかな寄付をした。この日も良い気持ちになった。
それにしても、この子はどこで生まれ何処で育ってきたのかが気になる。なぜここに飛揚してきたのか。遠くからシソの花の香りが聴こえてきたのか。私にはわからない。