山野草のような9月に咲く花を手に入れた。名前も手入れ方法も訊かないで駆け足で購入した花である。庭にはヤマトシジミが棲んでいて、蜜を求めて飛んでる。だがこの庭には花がない。そこで通り道にある花屋に飛び込んで手に入れた次第である。
最近は山野草にも詳しくなってきている。仕事が終わったら蝶が舞う山野で暮らすことが目標だから、ぼつぼつ慣れておくのも必要だと思っている。
花をつまんで琉球ガラスのコップに入れたのがこの写真。
ふと花の名前を知りたくなって検索した。名前はイソトマ。キキョウ科の仲間であってローレンティアとも言った。花言葉を読むと書いてあったのは猛毒。
それですぐに理解ができた。庭のヤマトシジミはすぐにイソトマに寄ってきたが、すぐに飛び去ってしまった。それから近寄らない。ひょっとしたら毒草ではないかと名前を調べたのであった。
花言葉が猛毒なんて、誰が名付けたのか。可憐な花を見てそう思った。自然には一切の無駄はない。必要があって毒を与えたのだ。身の回りを見渡すと植物は毒だらけだ。チューリップの球根も百合の球根も毒がある。キキョウも毒がある。ヒアシンスも毒がある。自然の神は毒を与えて身を守らせているのである。
イソトマは茎に毒があるらしい。この汁を触るとかぶれることがあると書いたサイトや、茎からの汁が毒だと書いてあるサイトもある。茎汁をなめてしまった人の話もあった。ものすごく苦く一瞬で舌がしびれて止まらない。舌の感覚はしびれだけでそのうち嘔吐したくなった。このまま死んでしまうのではないかと心から思って恐怖感が襲ってきたと書いてあった。
私が愛するうすばしろ蝶の食草ムラサキケマンは心臓マヒを起こすこともある毒草だ。うすばしろの幼虫はこの毒草を食べ自分の身を毒蝶に変えて小鳥から身を守っている。
そんなことを知っているから気にはならないが、花屋は顧客に茎汁を肌につけるとかぶれることがありますよ、絶対に口にしないでねくらいは伝えるべきだろうとも思った。
チューリップの球根を食べないでねとも言わないだろうし、むずかしい話に置き換えてしまった。オフイスの庭にあるイソトマ。毒を秘めながら可憐に咲いている。、