葉の落ちたハナミズキの枝に一羽の野鳥がしばらく留まっていた。
野生の生物はいつでも今の瞬間を生きている。
今夜のねぐらを心配することもなく、明日の食べ物を想い煩うこともなく、たった今の瞬間を生きている。
今日は寒空であった。
今日最後になるiPhone6をかざして撮影をした。
明日はiPhoneⅩ(10)に移行する。
Ⅹには標準レンズと望遠レンズが付いている。
1200万画素にアップしている。
ポートレイト用とか、人物以外の風景を真っ黒にするとか、いろいろな機能を持っている。
画面は有機ELだ。
何か一つくらいは新しいものを追いかけないと時代についていけなくなる。
1台で、カメラは記録装置として使う。
時には仕事で使う。
iPhone1台で電話を使い、ネットを見て、Amazonで買い物をして、メールを送り、好きな音楽をいつでも聴いて、計算機を使い、渋滞情報を見て、マップで見知らぬ外国に思いを果たし、電子図書を読み、暗闇では懐中電灯を使い、天気予報を確認し、乗換案内で時刻を調べ、動画を見て、ヤフオクでオークションを楽しみ、ピアノアプリを使って思い浮かんだメロディを弾いてみる。
いつでもどこからでもわからないことはすぐに調べ、雨にも負けず、風にも負けずという暮らしをしている。
私にとっては、自分の脳より正確な「セカンド・ブレイン・デバイス」である。「第2電子脳」の意味である。
今日は一日、単行本の執筆で過ごした。仕事も追いかけてくる。
書き直しの連続でもう4冊分くらい書いたと思う。
小学生3年生の子でもわかる文章を目指しているから大変だ。
Webマーケティングの未来を書いているから専門用語が飛び交う。
それにビジネス書だとどうしても固くなる。
市場構造の変化と書いて、これは難解だと思えばやさしい言葉に置き換える努力をする。
置き換えた方がもっと難解になることもある。
やさしい言葉を考えるために庭に出る。
すると中型の野鳥が羽を休めている。
普通はすぐに飛び立って逃げるがこの鳥は盤石として動かない。
そこで部屋に戻ってiPhoneを持ち出し、部屋の中からガラス越しに鳥を撮った。
撮ってからこれがiPhone6最後の撮影だと思った。
今日au Shopから予約のX(テン)が入荷しましたと電話が入ったのである。
そんな一日を綴った。