30㎏の重りを使って脚を80回、腕筋40回、胸80回、腹筋40回、背筋40回、合計240回、体の部位に負荷をかける。おまけに超音波による全身振動が20分、このスケジュールを週4~5回続けてきた。
このコースが楽にできるようになったから、それではと、11月14日に、重りを35kgに上げてしまった。
これは相当に我慢して耐えたが、確実に筋肉は悲鳴を上げていた。
その日の夜中、腰と左脚くらはぎの表側筋肉に強烈な痛みが出てベッドから立ち上がることができなくなった。過重筋トレによる筋肉痛がでたと即座に思った。
なんとか耐えながら近くの病院に行った。骨盤と腰部、左足のレントゲン撮影の結果、骨には異常はないとのことで、薬局で鎮痛剤と胃薬だけを渡された。
しかし、こむら返りに似た、錐(きり)を突き刺されるような痛さが腰と足に出るものだから、出社は断念して、安静することにした。
念のためジムに電話をかけて、年齢別の平均的な筋トレ重量を聞いたら、70歳代は20kgです。それ以上の年齢平均加重データはありませんとの答えであった。
筋肉だけは年齢い関係なく成長するわけだから、そうですかとだけ答えてスマホの電話を切った。
今日は3日目である。痛みは少しだけ軽減した。自宅のPCに向かって執筆中の原稿に手を加えた。ただ、椅子にいたのでは腰部に加わった力が分散して患部を圧迫するのか、体を動かすたびに錐の歯を差し込まれるような痛さが出て、合わせるように集中力も分散した。
それからベッドに戻り、今度はスマホで青空文庫を開き、高村光太郎を見つけ、智恵子抄を読んだ。今までは、文脈や物語に強い関心があったが、今回は詩を構成する一行の運びが優れていることに驚いた。実に新しい発見であった。
PCの右側には、いつでも永田力画伯の、”男の顔”がいる。またPCの前に座り直し、原稿を進め、ときおり思い出したかのようにこの絵を見つめなおす。こんな一日を過ごした。