マンゴーは絶対の品不足である。糖度の高いマンゴーは百貨店でも争奪合戦を繰り広げている。沖縄では宮古マンゴー、九州では宮崎マンゴーがブランディングに成功し恐ろしいほどの高値をつけている。
マンゴーがこれほど人気が高いのは、こどもがマンゴーを好きだからである。こどもは大好きなショートケーキよりも青果として食べるマンゴーの方がもっと好きで、世のジジババはマンゴーを買って孫に食べさせる。その上、若い女性のマンゴー好きはこどもの上を行っている。マンゴーを使ったスイーツはいつのまにかスイーツ売場のショーケースを席捲している。そういう私もマンゴーが好きで一年に一回は歳時記のようにマンゴーを食べる。
マンゴーはハウス栽培である。私は奄美大島の泰さんに願ってハウス栽培のマンゴー畑を視察したことがある。上の写真がマンゴー畑である。奄美は台風の通り道だからハウスは頑丈に作る。
小さなつぶつぶに見えるものがマンゴーの花。花一つにマンゴーが一つ熟れるわけだが、それではさぞかしたくさん熟れるのかと思うのだが、そうはいかない。マンゴーを大きく育てるためには剪果といって実を落とす作業を行なう。1を育てるために99を剪果する。こうして大きくなったマンゴーはネットに包まれて育つ。まさに手塩に掛けて太陽の果物は出来上がるのである。
この奄美マンゴーは、すこぶる大きい。奄美の人は、のんびりと時が流れるようにマンゴーを作っている。沖縄や宮崎に引けを取らない完熟した大型マンゴーがなんと一玉1500円で手に入る。8月初め、奄美市笠利町の西田農園に電話を入れたら予約が一杯でなんともいえないので20日過ぎたら電話をくださいと言われた。23日昼過ぎに電話をしたらOKでこの大きなマンゴーは翌朝10時頃に届いた。早いわけは知っている。東京への直行便は19:00に奄美空港を発ち、21:00には羽田へ到着するというわけだ。空港に近い西田農園には午後に注文すれば必ず19:00便に乗る寸法である。
最近は地球温暖化で、埼玉でもマンゴーが獲れるようになるのか、獲れたのかは定かではないが家人がそんな話をしていた。歳時記の一ページをめくるようにして食べるマンゴーは、私にとっては今年もマンゴーを食することが出来たと思う一期一会の味であった。