帰宅するといつも甘えん坊になってしまったポメラニアンの老犬が足元にまとわりついてくる。頭をなで耳の後ろをなで、眉間をなでて交流をする。そのあとに冷蔵庫から食事を出して遅い夕食を食べ、入浴する。老犬は私の方向を見つめたまま私を待っている。「さ。寝よう。おいで」と声を掛けて犬を彼の寝床に連れて行って、それからが自分一人の時間になる。
睡眠までのひと時を、iPadで画像を見ながらYOUTUBEで音楽を聴くことがその後の日課になった。CDが売れなくなったことがよく分かる。どんなものでも欲しいものを探せる。私はいま、古い歌、「水色のワルツ」、「人の気も知らないで」「さくら貝の歌」をよく聴く。それだけでなく中島みゆき、井上陽水もよく聴く。中島みゆきの唄は元気になってしまうのでどちらかといえば静かな曲が多い。ここで音楽に嵌(はま)ると、寝る時間は午前2時を回るから睡眠を誘うような曲を選ぶ。
水色のワルツはご本家二葉あき子のものだけでなく、クラシックを歌う人たち、演歌を歌う人たちが歌っていて楽しい。昭和25年に発売された歌で、作曲は高木東六、作詞は藤浦洸である。高木東六は100歳くらいまで生きたいい音楽家であった。藤浦洸は長崎県平戸の出身。平戸独特のお辞儀の仕方がユニークであった。NHKのテレビ「私の秘密」回答者で出演していたが、詩人であった。昭和12年に発表した別れのブルースは大ヒットして一躍有名になった。
水色のワルツ 作詞 藤浦洸
1.君に会ううれしさの
胸に深く
水色のハンカチを
ひそめる習慣(ならわし)が
いつの間にか
身に沁みたのよ
涙のあとを
そっと隠したいのよ
2.月影の細路を
歩きながら
水色のハンカチに
包んだ囁きが
いつの間にか
夜露に濡れて
心の窓を閉じて
忍び泣くのよ