本日で71歳になった。Facebookの友だちからお祝いのメッセージがたくさん届いた。
振り返るといろいろな場面で私にとって都合がよいこと、都合が悪いことが公平にあった。どちらを見るかで生き方が変わる。
私は楽天家なので都合が良いことばかりを見つめて生きていた。そのうち、生活の知恵で辛い時には辛いと思えばよいと思うようになった。快適な生き方を知ると不快適の耐性が弱くなることも知った。不都合な時でも素晴らしいことはたくさん発生していた。しかし自分にとって不都合なことを見つめているといいことが目に入らなくなることを知った。
それ以来、人生の苦しみを抱いて苦しいと落ち込んでいる人を見ると、苦しいことだけではないのになと思うようになった。儒教の影響を受けている国民はネガティブに落ち込む確率が高いことも知った。
悲しい時は悲しめばよいのだと思うようになった。いつまでも悲しみ続けることはない。悲しみはある時、光になって生まれ変わることも知った。陽は陰になり陰は陽になる。私は陰も陽も自分の脳が不快適を嫌うあまりにつくり上げた概念であることを知った。
希望と夢に向かって前に進んでいる時は歳は無縁であることも知った。このことが71歳の記録である。
和歌山県太地の人たちがイルカ追い込み漁をやっている。ケネディ大使が残酷だとツイットした。イルカを食べることは文化だと総理が軟らかな反論をした。ネットでも400年続いた文化だとケネディ大使の発言に炎上した。
私は、世界中の人々からこれだけ愛されているイルカを、追い込んでこん棒で殴り殺してまでして食べなくてもいいのではないかと前から思っていた。物流が発達したいま、どのような魚でも肉でもたんぱく質はどのようにも得ることができる。
イルカの肉は生のまま切り身にされて厚地のポリ袋に入れてスーパーで売られている。静岡のスーパーに行けばイルカが鮮魚コーナーに並んでいる。日本人がイルカを食べることと、極寒の地でイヌエットがアザラシを食べることとは意味がまったく違う。日本人は栄養取得についても豊富な選択肢がある。イヌエットはアザラシなどの動物を食さなければ生きていけない。
韓国に行くと犬料理が普通にある。ソウルオリンピックの時に世界から批判されることを恐れた韓国政府の手で、犬肉屋は繁華街の一等地からは姿を消したが路地に入れば堂々と皮をはがれた犬肉が吊るされている。犬肉を食すると体が温まるらしいが、私はもちろん口にしたことがない。我が家は熱い愛犬家だ。
ファミマがフォアグラは残酷だという指摘をされてフォアグラ弁当を棚から引き下げた。
フォアグラは、ガチョウを動けないように拘束して口に漏斗を当てて軟らかに蒸したトーモロコシを胃に流し続ける強制給餌を1か月続ける。そうするとガチョウの脂肪は脂肪肝になり2kgまで肥大する。このガチョウを絞め殺して肝臓を取り出し血管などを抜いてフォアグラにする。
フォアグラは、ローマ帝国時代から続いている残酷な食文化であるが動物愛護団体から動物の権利論が生まれるに至り、世界的に法規制がなされている。
以下はフォアグラの法規制を記述したウイキペディアの引用である。
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欧州評議会の「農業目的で保持される動物の保護に関する欧州条約」加盟国35カ国では、フォアグラの生産は「すでに定着している場合を除き」、1999年に禁止された。
イタリア、オーストリアの6州、チェコ、デンマーク、ドイツ、ノルウェー、フィンランド、ポーランド、ルクセンブルクの各国では、「動物の強制給餌」自体が禁止されたことにより、フォアグラの生産は事実上、違法となった。(ただし、外国産フォアグラの販売は必ずしも禁止されていない)。また、アイルランド、イギリス、スウェーデン、オランダ、スイスでも、動物保護法の解釈上、フォアグラの生産は違法とされている。デンマークでは議論を受けてすべてのスーパーマーケット・チェーンがフォアグラ販売からも撤退している。
2000年度の世界生産量18,000トンの内、15,300トンがフランスで生産され、現在はほぼフランス一国で生産している状況である。2005年10月、フランスの国民議会が農業政策に関する包括法の一部として、フォアグラは仏文化の 遺産であるとした法案を全会一致で可決した。その際、フランスが世界でフォアグラの80%以上を生産していることを指摘し、保護すべき仏文化、料理の貴重な遺産であると宣言。カモやガチョウの強制肥育についても、他に方法はなく止むを得ないとして、擁護する姿勢を鮮明にした。
アメリカ合衆国
2004年9月29日、アメリカ・カリフォルニア州は、州内で「肝臓肥大を目的とした鳥類の強制給餌」と「強制給餌によって作られた製品の販売」を2012年以降禁止する法律を成立させ、2012年7月1日から飲食店やスーパーでの提供が禁止となり、違反すれば1日当たり1000ドルの罰金が科されることとなった。
その他
アルゼンチンでは、フォアグラの生産は動物虐待に当たるとして、禁止されている。
イスラエルでは、2003年8月に最高裁が農林水産省に対しガチョウの強制給餌を禁止するよう指示し、2006年2月以降禁止された。
その他の動き
機内食からフォアグラを排除した主要航空会社の例としては以下が挙げられる。
2007年3月、アカデミー賞公式シェフのウルフギャング・パックは、動物愛護の観点上、自身の経営するレストランチェーンやカフェに於いてフォアグラを使用した料理は提供しないことを宣言した。
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ケネディ大使のツイットは以上のことを知ったうえでの発言である。
日本国民にとって、食材として捕獲する必要性がほぼないイルカの肉を得るために、浜に追い込み撲殺するような残酷な漁は法規制するべきではないか。
イルカを規制すれば次は捕鯨規制につながる。捕鯨規制がされれば南氷洋に進出する理由が消える。南氷洋領域権利の保全が捕鯨の根拠で、捕鯨権利を守るためにイルカ漁を禁止できない日本人は、やはり残酷な精神を宿しているのかもと思う次第である。
もっとも世界は平気で人間を殺している。シリア政府は自国民を化学兵器で殺害している。人間はいかようにも残酷になれる。
これもまた71歳の記録である。