妊娠しても産卵できないアゲハ蝶のために殺虫剤まみれになっていた食草を準備した私が甘かった。私は人間の非力を思い知った。山椒の葉を丁寧に洗ってみたものの役に立っていなかった。だが知らないことを一つ知った。
アゲハ蝶の雌は天空から、ジェット機のような姿かたちをして、山椒の木をめがけて、ものすごいスピードで急降下してくるのだ。これには驚いた。私が人間の非力を思い知った瞬間であった。
雌を追いかける時、敵から逃げる時、蝶は超スピードで飛揚することを知っていたが、ここに産卵する食草を見つけた時と一項目が加わった。山椒の木はかわいそうだが枯れた。
三カ月に一回通院している病院の医師から7年間検査をしていないので検査をやりましょうと強く勧められて快諾した。2泊三日のうち、検査は20分だが、一か所だけ治療が必要な個所が見つかった。この入院は心底から骨休みになった。
だが、病院の冷房で風邪をひいた。この風邪がひどいものであった。退院してすぐに、寝室の冷房を切って長袖の下着を着て長袖のパジャマを着て寝て過ごした。すぐに発汗し下着は何度も交換した。
なんとか元気になってオフイスに出て冷房を入れてみたら、冷風に当たるや否や、瞬間的に風邪をぶり返した。この回復に5日間ほぼ寝たきりで費やした。
この5日間オフイスに行かなかった。その間に水分の補給はなく山椒は枯れたのである。山椒は乾燥に弱く、水気に弱い、育て難度の高い樹である。山椒の話はこれでおしまい。殺虫山椒だから仕方がなかった。
風邪に無抵抗でいたおかげで3キロ、体重が落ちた。これはラッキーであった。目標はあと3キロ減だ。
本日から仕事。冷房は入れないことに決めた。昨日は長袖下着に長袖ワイシャツを着て通勤した。本日は半そで下着に長袖のワイシャツを着た。
今日は一日無冷房で仕事をした。半そでだが冷風がないので風邪をぶり返すことはなかった。しかし無冷房のまま、窓は閉めているから発汗はある。お湯で腕を洗ってみたらさっぱりした。
治療入院は来週月曜日。それまでに原稿の推敲を終える。冷房には対策が必要だ。